2021年7月22日
これから家を建てたい方にとって、
・家を建てる費用はいくらで、予算はどのくらい必要なのか?
・その値段でどんな家が建つのか?
などは、必ず気にするポイントですよね。
予算自体は住む場所や建てる会社によって様々ですし、各社いろんな考え方があります。
また、多くの方が銀行でローンを組みますし、
・どのくらい借り入れできるのか?
・頭金はいくら用意すれば良いのか?
なども気になるかと思います。
この記事では、弊社の事例を交えながら、相場感や予算や値段を考える際の注意点について述べていきます。
新築のマイホーム1軒を建てるのにかかる費用は下記の内容です。(建てた後のメンテナンス費用はここでは考慮しません。)
・土地代
・建物代
・諸経費
これらの価格を合計し、「家の値段」は決まります。
この金額を支払うために住宅ローンなどをして、「予算」を決めます。
多くの住宅会社は、
「総予算=自己資金+総借入可能金額(主に住宅ローン)」
と考えます。
しかし、考え方で進めていくと、様々なデメリットがあり、あまり賛同できません。
今の時代、日本の経済は右肩上がりに成長を続けている訳ではありませんし、人口減少社会です。
仮に、40歳で35年のローンを組んだ場合、75歳まで返済を続ける必要があります。
家を購入するきっかけは人それぞれですが、購入後も生活は続きますし、予知のできない出来事もついて回ります。
そう考えると、家を建てた後に、何かがあっても「生活に支障がない金額」を考えておくことが予算を決める上では必要な考え方です。
つまり、家を建てるための予算は、
総予算=自己資金+無理なく返済していける借入金額
であるべきです。
ここは、非常に重要な考え方になります。
家づくりは「リスクを覚悟して」おこなうべきではなく、「安心して生活ができ、老後の心配もない」という形が望ましい形です。
土地の購入には、
・手付金(物件価格の5%~10%)
・購入物件の残代金(物件価格-手付金-住宅ローン借入金)
・購入諸費用(印紙税・仲介手数料の半金)
といった費用がかかります。
肝心な土地の値段は、場所によって様々です。
地域によっても主要な駅から近ければ高くなりますし、郊外へ行くほど安くなります。
家づくりの大きな費用は「土地」と「建物」です。
建物は、一概にいくらとは非常に言いづらく、住宅会社によって千差万別です。
参考データとして、床面積に対する土地の費用感を紹介すると、
床面積 |
建築費(土地代含まず) |
|
全国 |
約129.3m2 |
約3308万円 |
首都圏 |
約127.2m2 |
約3593万円 |
近畿圏 |
約130.5m2 |
約3436万円 |
東海圏 |
約132.0m2 |
約3405万円 |
相模原地域 |
約120m2 |
約3000万円(当社調べ) |
というデータがあります。(※当社調べ)
あくまで平均ですので、細かな数字は住宅会社によって様々です。
例えば、1000万円代で家を建てている会社もありますし、5000万円を超えるような家もあります。
どのような会社を選ぶかは、先に述べた予算感によって変わってきます。
ちなみに、相模原周辺の住宅会社では建物代が3000万円~4000万円ぐらいが相場感です。
このくらいの金額を建物代に見られれば、こだわりの家をきっと建てることができます。
家づくりでは、建物本体の工事以外にも、いくつかの工事が発生します。
代表的なものが、外構や庭などのエクステリア費。家具の購入や特殊な内装を行う場合のインテリア費。
これらは、基本的に必要な費用です。
親などから土地と建物を譲り受ける場合もありますが、その場合は、建物をリフォームするか建て替えて新しくする必要があります。
リフォームを行う場合はリフォーム費用が。建て替えを行う場合は、建築費用のほかに、解体工事費用が必要になる場合もあります。
解体工事費用は、文字通り、建物の期待に関連する費用です。
例えば、足場を組んで建物を解体するための工事費、周囲にホコリや音などの迷惑をかけないためのシート養生費などが発生します。
購入した土地が凄く狭い場所にあったり、高低差のある敷地にあるなど、特殊な形状をしている場合、その土地を家が建てられるように整える造成工事費用が発生します。擁壁(ようへき)と呼ばれる盛り土の側面が崩れ落ちるのを防ぐために築く壁をつくる費用や、整地をするための費用が必要になることもあります。
ただし、そのような土地の場合、相場よりも割安になっていることもあります。
造成を正しく行えば、住めない場所では無く、完成する家も土地の形状を生かした特殊な形になるため、個性的な家になることも多いです。
参考:3月14日~15日「傾斜地を最大限活かした住まい」完成見学会!【終了】
この写真にある家は、実際に坂道を活かして建築した建物です。
坂の上にある表側は平家風の外観。
坂の下にある裏側は、2階建になっています。
家を建てる前には、その土地が十分な強度があるかどうか地盤の調査を行います。
地盤調査を行った後、軟弱な土地と判定された場合は、補強工事が必要になります。
地盤の状態により、地表面にセメント系の材料を混ぜ合わせて固める地盤改良工事や、固い地盤に達するまで深く杭を打つ工事などを行います。
このような予算が建物を建てるために必要な費用に含まれてきます。
家を購入する際に以外と重要であり、かつ、きちんと検討しておくべきなのが諸経費です。
ここは、「多めにとっておく」ことをお勧めします。
諸経費の内容は、
・不動産取得税、印紙税などの税金
・保険
・銀行に支払う手数料
・家電
・家具
・照明器具
などが含まれます。
この金額を予算に考慮しておかないと、家を建てたものの、家具や家電を揃えることができなくなった。となってしまいます。
これらのことを鑑みると、諸経費をおよそ13%~15%として計算することが望ましいです。
ただし、この金額も住宅会社によって様々です。
中には、「諸経費は5%ほど」と考えている会社もあります。
この違いは、提案する側の考え方の違いです。
家づくりにあたり、法務局に対して「登記」の申請を行いますが、この時にかかる税金が「登録免許税」です。
登録免許税の計算
家を建てた場合の「所有権保存登記」 細かな計算は、取得費用によって変動しますが、 仮に「固定資産税評価額:2000万円の家」を「2500万円の住宅ローン」で建てた場合、 |
これらの契約書を作成する場合に「印紙税」が課せられ、契約書に収入印紙を貼り納付します。
印紙税の計算
建築工事請負契約書にかかる印紙税の表(一部)
住宅ローンの金銭消費貸借契約書にかかる印紙税の表(一部) 参考:国税庁「印紙税」 |
家を新築するなど、不動産を取得したときに課税されるのが「不動産取得税」です。不動産の価格に、一定の税率をかけて計算します。
不動産取得税
建物や土地に対して、「課税標準額」に税率をかけて計算されます。 新築住宅の場合、基礎控除額は1200万円ですが、長期優良住宅などに認定された建物には控除の幅が大きくなることがります。 |
このほか、親や祖父母から住宅資金を出してもらう場合には、贈与税が発生することがあります。
税金関係については、「軽減措置」が都度発表されているので建てる時にはチェックするようにしてください。
家づくりの検討を進めていくとこの問題に必ずたどり着きます。
TVCMなどで良く目にし、何となく名前も知っている大手ハウスメーカー 。
名前は知らないけれど、個性的な家やこだわりを持った家を建てている工務店。
どちらで建てるのが良いのか?
理想の住まいを建てるために、多くの方が悩まれています。
まず、ハウスメーカーと工務店で予算面の違いですが、ハウスメーカーの方が工務店に比べると坪単価は高くなる傾向にあります。
その理由として、1件の受注を受けるためにかけているコストの違いが挙げられます。
例えば、TVCM。
より多くのお客さんに名前を広めるためには、大きなメディアで広告宣伝を行うことが効果的ですが、1回の宣伝に数千万円規模の予算が必要です。
これは、年間数10棟規模の工務店に出せる金額では到底ありません。
また、人件費も必要な予算です。
大手になると数百名が勤務しており、細かく役割が分業され円滑に仕事が回る仕組みができています。
一方で工務店の場合は、営業が設計を兼務していたり、お客様対応を兼務していることもあり、数十人規模の会社がほとんどです。
では、ハウスメーカーはこのようなコストをどこから得ているかというと、皆さんの建てる家の予算の中に自ずと含まれることになります。
その結果、坪単価が上がりやすくなり、結果的に予算面では工務店の方が安いことが多くなります。
工務店のメリットであり、デメリットでもあるのが「1つの強み」に特化している会社が多いことも挙げられます。
ハウスメーカーに相談にいくと、おそらく「できない」と断られることは無いと思いますが、工務店の場合「出来ること」と「出来ないこと」が明確にわかれます。
例えば、弊社の場合は、「健康に悪影響を与える材料は使わない」という強みがあります。
これを無視して、「安くしたいからこの材料を使って欲しい」という相談にはお答えできません。
ですので、工務店で家を建てる場合、その会社が強みとしていることが「理想としている暮らし」にマッチしているか?をチェックしてください。
これまで弊社で提案した「40代会社員の方」がどのような資金計画を立てられたか紹介していきます。
家族構成
・夫(42歳 会社員) 年収700万円
・妻(39歳 パート) 年収100万円
・長男(12歳)
・長女(9歳)
自己資金1000万円
家と土地で4000万円の物件を自己資金1000万円、35年返済で購入しようと考えている。
返済期間中に退職を迎えてしまうためできれば返済期間を少し短くしたい。
返済期間を短くする方法として、「繰り上げ返済」を提案
具体的な方法として、
①自己資金割合を増やし
②借入金額を減らし
③返済割合を減らすことで
④繰り上げ返済分への割り振りを増やす
といったことを提案しました。
自己資金を増やす方法としては、可能であればご両親からの援助が最適です。
もし、無理であれば、購入予定の土地や建物の計画を見直すことをお勧めしました。
このケースでは、借入金額が3000万円なので、もし、300~500万円ほど抑えることができれば、返済計画にも余裕が生まれることでしょう。
借入やローンを組むときに、収入と自己資金の割合や返済方法について「ファイナンシャルプランナー」という職業の方にご相談されることもオススメします。
目の前の資金計画だけでなく、将来的なライフプラン計画をたて、そのために必要な計画を建てる手助けをしてくれる方です。
建築をお願いする住宅会社よっては、信頼のおけるファイナンシャルプランナーを紹介してくれる会社もあるので、予算について悩まれれば一度相談するのもよいかもしれません。
ここまでも述べてきましたが、家を建てる値段や予算については本当に各社様々です。
同じような土地、同じような間取りでも、使っている素材や性能によって建物の金額は大きく変わります。
予算についても、「返済計画まで考えた余裕を持って提案する会社」や「建物を立派にすることを提案する会社」など、どこまで考えるか方針が各社違います。
中には、営業マンによっても話すことが違う場合もあるかもしれません。
間違ってはいけないことは、家を建てることは「建てたあとの暮らし」のためだということです。これから家を建てる方は、この考えと視点をもって住宅会社に相談してください。
何を大切にすべきかが、相談しながらきっと見えてくると思いますし、予算の使い方も最適なものが見つかるでしょう。