2019年2月17日
皆さんは、“平屋”と聞くとどんなことを思い浮かべますか?
「お金持ちの家」
「高級な住宅」
というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
実は、平屋住宅にはそれ以外にも、生活のしやすさや住宅のバリアフリー化など、たくさんの“住みやすい特徴”があるんです。
そこで今回は、新築で平屋住宅を建てる際のメリットとデメリットを、それぞれ5つ紹介していきます。
平屋住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
平屋住宅では、基本的には同じフロア内に全ての生活スペースが収まります。多くの平屋住宅ではリビングが核になる間取りとなっておりますので、家族で顔を合わせる機会が多くなることで、自然とコミュニケーションが取りやすくなるというメリットがあります。
ご家族各々の部屋の出入りや、帰宅などでの家の出入りも把握しやすいので、「知らないうちに、子供が外に出かけていった」などといったトラブルを未然に防ぐこともできますので、特に小さいお子様がいるご家庭では、平屋住宅の方が何かと安心できる部分も多くあります。
ただし、家の中での行動が何でもかんでも筒抜けだと落ち着きませんので、それぞれ程よいプライバシーが保てるように工夫するのがいいでしょう。
平屋は一階部分しかありませんので、日々の家事や生活での移動が非常に楽になります。
特に階段がないことのメリットは大きく、洗濯や掃除のときの上り下りや、部屋ごとの移動をコンパクトに抑えることができますので、時間や労力を削減することができます。
実は、マンションから戸建てに住み替えた方の多くは、「階段の昇り降りが大変・・」とおっしゃっております。平屋であれば1フロアで生活でできるので、生活動線がとてもシンプルで、マンションのようにスムーズに動くことができますよ。
地震大国である日本に住む以上は、耐震対策は必須になりますが、平屋住宅は二階建ての家と比べると重量が軽くなる傾向があるので、家にかかる揺れを少なくすることができます。
揺れが少なくなることで、構造上の木材のズレも少なくなり、壁紙が破れるなどの被害リスクも減るので、メンテナンス面にも強くなるという効果もあります。
また、台風や強風が来た際にも、当たる面積が小さくなる場合が多く、平屋住宅は概ね災害に強い造りといえます。
実は、階段というのは意外と面積を取ってしまいます。一般的に、2階建て住宅の場合では階段やそのホールに必要なスペースは4畳から5畳分と言われています。
しかし、平屋であれば階段を作る必要がありません。階段のスペースを省くことで、書斎にしたり寝室にしたり、子供部屋を作ったりと、さまざまな使い道が考えられます。
また、階段が必要ないので、ご高齢のご家族が階段を上り下りするときの労力を減らしたり、小さいお子様がいる場合には、階段からの転倒事故をなくすことができます。
特に、家庭内で起きる事故のうちの約2割は階段が原因といわれておりますので、階段をなくすことで事故の危険性を低くすることができますよ。
平屋住宅のメリットとして、“階段が不要”ということを挙げましたが、これはご自身の老後の生活にも大きく関係してきます。
想像してみるとわかるように、老後に階段が無い生活というのは、非常に楽ですよね。若くて健全な時期にはあまり気にならないとは思いますが、この先もずっと住み続けることを考えると、階段が無く、バリアフリー化にも対応しやすいというのは大きなメリットになります。
人生100年時代とまでいわれている現在において、終の棲家としての住宅をご購入したいと考えている方も多いと思います。
一見すると、平屋住宅は高級や贅沢な家というイメージがあるかもしれませんが、老後の生活状況や住宅のバリアフリー化までも考慮したトータルコストを考えると、実は平屋住宅の方がお得になる場合もありますよ。
平屋住宅では、同じ一階のフロアにいくつも部屋を作る必要があるので、二階建て住宅よりも広い敷地面積が必要になります。
元から広い土地を持っている方であれば関係ありませんが、これから土地を探したり、都心に平屋を建てたいという方にとっては大きなデメリットではないでしょうか。
コンパクトな配管計画をすることで建築費用を上手に抑え、その分を土地代に回すという方法もありますが、その前に、まずは平屋住宅を建てれるような適切な土地探しをすることが大切ですよ。
坪単価とは、1坪あたりにかかった建築費のことをいいます。平屋住宅においては、2階が無いことで建物の床面積が減るために、坪単価は高くなってしまいます。
同じ床面積の平屋と2階建てで比べた場合、平屋のほうが基礎部分の面積が広くなるため、工事に必要な費用も増えてしまいますし、上から見た場合の屋根面積も大きくなるため、工事費用が上がってしまいます。
これが、平屋が2階建てに比べて建築費用が1~3割増しになると言われる由縁です。
しかし、屋根を片流れ屋根や切妻屋根などにすることや、安価な屋根材にすることでコストを削減できますし、また、大きい屋根を太陽光発電に活すということもできます。
平屋住宅のメリットに、家族間でのコミュニケーションが取りやすいことが挙げられましたが、逆を言えば、お互いのプライベートが確保しにくいというデメリットにもなってしまいます。
個室を作ることはできますが、部屋の出入りは隠せませんし、音漏れなども完全に防ぐことは難しいです。
そのため、たとえ家族間といえどお互いのプライバシーを守るためにも、設計時にはロフトを作ったり、各部屋には必ずドアを設置したり、リビングに仕切りを作るなどの工夫が必要になります。
もちろん、平屋住宅においてもそれらの対策はプランニングの際に可能ですので、事前に建築家に相談しましょう。
プライバシーの観点はもちろんのこと、防犯の面でも平屋住宅ではより念入りな注意が必要です。平屋住宅は、二階建ての家に比べて一階にある部屋数多くなり、窓の数も増えます。
そのため、どの部屋にも防犯対策は必須で、中でも防犯カメラ、防犯ガラス(二重ガラス、防犯フィルム)、センサーライトは基本要素になります。
最も効果が高いのは防犯カメラの設置ですが、他にも、その住まいの環境に合わせた防犯対策をする必要があります。
平屋住宅は、建築面積が広くなるほど、建物の中心部は日当たりが悪くなってしまいます。そのため、建物の中心部が他の部屋に囲まれてしまう造りの場合は、光や風通しに関しても配慮しなければなりません。
解決策として多いのが、中庭を設けること。建物の中心部を開けた庭にすることで、それぞれの部屋に日が差し込めるような造りにすることで、日当たりの問題をクリアしているケースは多くあります。また、天窓を設置して日当たりの良さを改善するケースもありますよ。
今回は、新築で平屋住宅を建てる際のメリットとデメリットをそれぞれ5つ紹介しました。
平屋住宅には確かに“高級”というイメージはありますが、それ以外にも、住みやすさがあったり、老後の生活を見据えての対策がしっかりとできる造りになっており、今後も人気が高まる住宅です。
また、いくつかデメリットも紹介致しましたが、そのほとんどは、プランニングの際にしっかりと相談することで解決できるものばかりです。
これから新築を建てようか考えている方は、平屋住宅を検討してみてはいかがでしょうか。