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永く安心して健康で快適にくらせる家であること。住めば住むほどよくなる家であること。住む人に幸せが訪れる家であること。そして、造る者にも嘘がない真摯な心で造ること。こうして造られた家を私たちは「0宣言の家」と呼んでいます。

家の建て替えや増築で注意すべきポイントとは?

新築で建てた住まいで長らく生活していると、ご家族のライフプランの変化や家の老朽化により「建て替え」、「増築(リフォーム)」を検討する必要が出てきますよね。
しかし、実際に工事をするとなると、「自分の住まいには、建て替えと増築のどちらが適しているのかよく分からない」というケースが多くあります。

そこで今回は、「建て替え」と「増築」の違いと、実際に工事をするときに注意すべきポイントを5つご紹介します。
マイホームの建て替えや増築を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

なぜ建て替えや増築(リフォーム)が必要になるのか?

「せっかく新築で家を建てたのに、わざわざ一度解体してまでして、新しく建て替える必要なんてあるのだろうか。」

そう疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?確かに、今ある家を一度解体して建て替えたり、一部を増築(リフォーム)するには費用も時間もかかります。

しかし、家というのは年月が経つにつれて徐々に老朽化していくものであり、また、そこに住むご家族それぞれのライフスタイルというのも変化していきます。
新築購入当初は小さかったお子様が社会人として独り立ちされたために、子供部屋が余ってしまったり、一緒に住まわれているご両親がご高齢になったことで、家の一部をバリアフリー化したいなど、ライフスタイルとともに住まいに必要な物も変わっていきます。

また、そのような問題に直面する頃には、水周りをはじめとした家の様々な場所で老朽化が起こっているケースもあります。
そこで、現在のライフスタイルに合わせた暮らしをするために家の建て替えや増築をすることで、理想の住まいを実現することができるのです。

 

建て替えと増築の違いとは?

ライフスタイルの変化とともに、住まいにも変化が必要なことはわかりました。では、家を建て替えることと増築することでは、何が違うのでしょうか?
後述にてそれぞれの違いの主なポイントを紹介しますが、簡単にいうと、建て替えは“一度家を解体して、新しく建て直す”ことで、増築は“同じ敷地内で建物の床面積を増やす”ことを指します。

また、増築には、家の構造(骨組)は変えずに新たな間取りや内装、設備機器などを取り入れる全面リフォーム(スケルトンリフォーム)と呼ばれるものもあります。
建て替えと増築にはそれぞれに違った良さがありますので、次にご紹介するポイントを参考に、ご家族のライフスタイルに合った方を選んでみてください。

 

建て替えと増築のポイント①費用の違い

建て替えと増築における1番の違いは、施工にかかる費用です。みなさんのご想像通り、増築よりも建て替えの方が費用が大きくかかります。

・建て替えにかかる費用:約2000万円~4000万円
・増築にかかる費用:約300万円~2000万円

もちろん、それぞれの施工の内容や条件によっても費用は変わりますが、大体の相場としては上記の金額がかかります。
また、先程ご紹介した全面リフォームは、増築の中でも高額な施工になりますので、大体1000万円以上が費用の相場になっております。

 

建て替えと増築のポイント②工事の期間

建て替えと増築では、工事にかかる期間も大きく違います。

建て替えでは、設計プランの打ち合わせから始まり、解体工事や地盤調査を経て着工するので、これら全てを通すと、約6ヶ月の期間が必要になります。

一方、増築では解体工事などの行程は基本的にはありませんので、増築の内容にもよりますが、約1ヶ月を目処に工事が進みます。

 

建て替えと増築のポイント③仮住まいの有無

建て替えでは、そもそも住んでいた家を一度解体しなければならないので、その間に生活するための仮住まいが必要になります。

建て替え工事の期間が約6ヶ月ほどかかるとお伝えしましたが、その間の住まいをどうするかを考えなければなりません。多くのケースでは、夫婦の実家に住まわせてもらったり、元の家の近くの賃貸物件を契約し、家具はレンタルスペースに保管しておくなどの方法で工事期間を過ごされています。

実は建て替えでは、このような“工事以外の費用”がかかるために、増築よりも費用が増してしまうのです。仮住まいを契約するにもお金が必要ですし、引っ越すための費用もかかります。

増築であれば、多くの場合は居住したままでも工事が可能ですので、賃貸契約や引っ越しなどは必要ありません。

 

建て替えと増築のポイント④間取り

建て替えでは、家の間取りを再度決めることができるという特徴があります。

長年住んだ経験から、新築建築当初では気が付かなかった不便な部分を無くしたり、ライフスタイルの変化によって必要になる間取りを新しく計画したりと、今後の生活に合わせた住まい作りをすることができます。

中でも、年齢を重ねるに連れて、身体に大きな負荷がかかってしまう洗濯や掃除などの生活動線を短くして移動する労力を少なくしたり、バリアフリーに配慮した間取りにしたりなど、建て替えでのメリットはたくさんあります。

一方で、増築では床面積は増えるものの、間取り自体は大きく変更できませんので、その分の自由度は建て替えに比べると劣ってしまいます。

 

建て替えと増築のポイント⑤工事を検討する築年数

ところで、住まいの建て替えや増築の時期は、住み始めからどのくらいの期間が目処となっているのでしょうか。

一般的には、木造一戸建てであれば築30年以上が建て替えの目安といわれております。

増築は、その都度必要な時に施工ができますが、中でも多い水回りの工事や外壁のリフォームは築10~20年が1つの目安となります。

建て替えと増築のいずれにおいても、「ご家族のライフスタイル」、「建物の老朽化」、「耐震性能の改善」などのタイミングを1つの目安として検討してみてはいかがでしょうか。

 

建て替えのメリットとデメリットまとめ

メリット

・間取りを自由に決めることができる

・ライフスタイルに合わせた家を建てられる

・地盤調査、改善も行うことができ、安全性も考慮できる

 

デメリット

・増築よりもコストがかかる

・工事期間が長い

・仮住まいの契約や引っ越しなどの手間がかかる

 

増築のメリットとデメリットまとめ

メリット

・建て替えよりもコストが低い

・工事期間が短い

・引っ越しなどが不要

・必要な部分のみ改善することができる

 

デメリット

・間取り自体は変えられない

・老朽化や劣化状態によっては、追加で料金がかかる場合もある

・建て替えよりも自由度は少ない

 

「建て替え」と「増築」、ご家庭に合った方を選ぶためには?

今回は、建て替えと増築(リフォーム)のそれぞれの違いのポイントを紹介しました。

どちらにもメリット・デメリットは存在しますが、今のご家庭に合った方を選択するための3つのポイントをおさえることで、建て替えと増築のどちらか正しい選択をすることができます。

・今後のライフプランを考える

・工事に使える予算を決める

・家の老朽化、劣化状態を把握する

建て替えや増築を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

初めてでも失敗しない!土地購入の6つのポイントとは?

理想の家を建てるには、その土地の選び方も大切なポイントになります。

今回の記事では、土地購入が初めての人でも失敗しないために、購入の際に気をつけるべき6つのポイントをまとめてみました。

今後、マイホームの購入に向けて土地購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

なぜ土地選びが大切なのか?

土地購入のポイントについてご紹介する前に、まずは、“なぜ、土地選びが大切なのか”についてお伝えしていこうと思います。

土地というのは、みなさんもご存知の通り「不動産」と呼ばれる資産になります。不動産は、食べ物のように簡単に購入できるものではなく、洋服や車のように直ぐに買い替えがきくものでもありません。安易に土地を購入してしまい、後々「こんなはずじゃなかった…」と思っても、返品ができるわけでもありません。

加えて、土地を購入して家を建てるとしても、その土地の地盤が脆弱だった場合は補強工事が必要になりますし、購入予定の土地が田畑である場合は田畑を建築に耐える土地にする造成費もかかってきます。

このように、購入した後に新しい問題を抱えないためにも、まずはその土地の地目を確認しましょう。地目とは、簡単にいうと“土地の種類”のことで、「田・畑」や「宅地」などで分類わけされています。

地目は後々変更することができますが、登記簿を確認することで以前の状態を知ることができますので、土地購入の際には必ず確認をしましょう。

 

焦りは禁物!まずは具体的なライフプランとエリアの決定から

土地購入の際の1番のNG行動は、資金計画やライフプランを決めずに「土地の購入」をしてしまうことです。

土地の購入やマイホームの建設にかかる費用は、決して安いものではありませんよね。その限られた予算の中で土地を優先して話を進めてしまうと、希望していた家の仕様を諦めなくてはならなくなる可能性が出てきます。

そうならないためにも、土地を購入する前には、予算の中で土地代にかけられる金額や、住みたい家のイメージに加え、老後までのライフプランを考慮した資金計画を具体的に立てておきましょう。

また、「住むエリア」も、土地購入における重要なポイントになります。生活の利便性が高い都心部に住むのか、静かな郊外に住むのかなど、まずはご自身やそのご家族の生活においての優先事項を定めることが大切です。

 

良い土地の条件とは?

ところで、一般的に「良い土地」とは、どのような場所のことをいうのでしょうか?

次は、いくつかの「良い土地の条件」を紹介していきます。土地選びでどこをチェックしたらいいかわからない方は、ぜひこれらの条件を確認してみてください。

 

・土地の地盤が丈夫である

家を建てる前提で土地を探している場合には、絶対に譲れない条件です。地盤が脆弱だった場合には補強工事が必要となります。

また、過去に地盤沈下や液状化現象を起こした土地はできるだけ避けた方がいいでしょう。

 

・地震などの災害に強い土地かどうか

地震大国といわれている日本では、その土地が地震をはじめとした様々な災害に強いかどうかも重要になります。

 

・隣の家との境界線がはっきりしている

土地のトラブルで最も多いのが、境界線の問題です。

それぞれの土地には、「境界標」が打ち込まれているケースがほとんどです。けれども、必ずその境界標が図面通りに打ち込まれているとは限らず、また、現場の状況により難しいケースもあります。

そのような場合には、隣人となる方に立ち会っていただき、明確に線引きしましょう。

 

・地域の生活環境が充実している

近くにショッピングモールやコンビニなどのお店があるかどうか、駅や会社までの通勤時間などは、生活する上で欠かせない部分になります。

また、お子様のいるご家庭では学校までの距離や、公園・塾などの有無も重要なポイントになりますよね。ご家族のライフプランを考え、そこに必要な施設が身近にあるものが良い土地と言えます。

では次からは、土地購入における重要なポイントを6つ、紹介していきます。

 

土地購入における6つの重要なポイント

ポイント①求めている土地の条件と優先順位をはっきりさせる

土地選びの段階では、あなたやご家族がどんな土地を購入したいのかをしっかりと把握しているかが1番大切なポイントになります。

土地の価格や広さ、場所など、全ての条件に当てはまる土地を見つけることは中々に難しいため、土地探しの際には、それぞれの条件の優先順位を決めておきましょう。もちろん、全ての条件に優先順位を付けてもいいのですが、それはそれで大変ではありますので、最低限1~3番目までの優先事項は決めておくことがオススメです。

実は、多くの時間と労力をかけても中々気に入った土地が見つからずに、最終的に何となくで土地購入を決めてしまってから後悔をしてしまう方もいらっしゃいます。

そうならないためにも、土地購入におけるご家族の優先順位をつけてから、それぞれの土地のメリットやデメリットを考慮して購入することが大切です。

 

ポイント②用途地域について確認する

用途地域とは、建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールのことで、都市計画法により都市の環境保全や利便の増進のために「市街地区域」と「非線引き区域」、「準都市計画区域」に定められています。

また、用途地域は大きく分けて、「住居系」、「商業系」、「工業系」の3つに分かれ、さら12種類のエリアに分かれています。

用途地域によって住宅地としての環境が違いますので、選んだ土地がどの用途地域に含まれているかは必ず確認しておきましょう。

 

ポイント③新しく建てる予定の家に求める条件を整理する

土地に求める条件を整理したら、次は、そこに建てる予定の家に求める条件を整理していきましょう。

「子供やペットと遊べる庭が欲しい」、「日当たりのいいべランダでのんびりしたい」など、様々な条件が出てくると思います。そうやって出てきたものを整理して、優先順位を付けていくことで、自分たちが求めている土地のイメージをより掴めてきます。

 

ポイント④理想の家を建てるための面積を確認する

土地の面積=住宅面積ではなく、土地にはそれぞれ建てられる建物の大きさや高さに制限があります。

建築面積の上限は「建ぺい率」、延べ床面積の上限は「容積率」で定められており、他にも、「高さ制限」や「北側斜線制度」などの規制がありますでの、希望の家を建てられるのかを確認し、さらには将来のことも考慮してから購入しましょう。

ポイント⑤物件調査は必須!実際に土地まで行って周辺情報を把握する

土地を選定する際には事前に図面などを確認することができますが、それだけで購入を決めるのではなく、実際にその土地の場所まで行かれることを強くオススメします。

街並みや住環境の把握はもちろんのこと、近くの商業施設や駅までの距離を実際に歩いてみたり、その土地の日当たりの良さや風通しなどもしっかりと確認しておきましょう。

土地の確認に行かれる際は、朝・昼・夜と、時間帯を変えることで、そのエリアの違った一面を見ることができます。また、休日と平日で状況がガラリと変わる場合もありますので、可能であれば、休日だけではなく平日にも行かれることで、よりその土地の状況を把握することができますよ。

 

ポイント⑥自治体の制度や福祉サービスについても把握しておく

自治体の制度には様々なものがあり、道路一本を挟んだだけなのに、全く状況が違うなんてことも多々あります。

学校の学区や教育施設の制度から、ゴミ出しのルール、さらには医療サービスなど、自治体によって定められている事項は実に様々です。

今までは、土地を購入するまでの流れやポイントをお伝えしましたが、土地だけではなく、ご家族が今後長い間生活する周辺を取り巻く環境についてもしっかりと把握しておくことで、よりベストな土地を選ぶことができますよ。

 

ポイントをしっかりおさえて、理想の土地を購入しよう!

今回は、土地購入が初めての方でも失敗しないための6つのポイントを紹介しました。

一見すると土地購入には多くの手間がかかると思いますが、情報をしっかりと整理して、分からない部分は建築会社や不動産会社の担当者に聞くことで、理想に近い土地に巡り合うことができます。

土地購入に悩まれている方は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてくださいね。

平屋住宅の魅力とは?メリットとデメリットを紹介!

皆さんは、“平屋”と聞くとどんなことを思い浮かべますか?

「お金持ちの家」

「高級な住宅」

というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

実は、平屋住宅にはそれ以外にも、生活のしやすさや住宅のバリアフリー化など、たくさんの“住みやすい特徴”があるんです。

そこで今回は、新築で平屋住宅を建てる際のメリットとデメリットを、それぞれ5つ紹介していきます。

平屋住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

平屋住宅の5つのメリット

平屋住宅のメリット①家族間のコミュニケーションが取りやすい

平屋住宅では、基本的には同じフロア内に全ての生活スペースが収まります。多くの平屋住宅ではリビングが核になる間取りとなっておりますので、家族で顔を合わせる機会が多くなることで、自然とコミュニケーションが取りやすくなるというメリットがあります。

ご家族各々の部屋の出入りや、帰宅などでの家の出入りも把握しやすいので、「知らないうちに、子供が外に出かけていった」などといったトラブルを未然に防ぐこともできますので、特に小さいお子様がいるご家庭では、平屋住宅の方が何かと安心できる部分も多くあります。

ただし、家の中での行動が何でもかんでも筒抜けだと落ち着きませんので、それぞれ程よいプライバシーが保てるように工夫するのがいいでしょう。

 

平屋住宅のメリット②動線が短く移動が楽

平屋は一階部分しかありませんので、日々の家事や生活での移動が非常に楽になります。

特に階段がないことのメリットは大きく、洗濯や掃除のときの上り下りや、部屋ごとの移動をコンパクトに抑えることができますので、時間や労力を削減することができます。

実は、マンションから戸建てに住み替えた方の多くは、「階段の昇り降りが大変・・」とおっしゃっております。平屋であれば1フロアで生活でできるので、生活動線がとてもシンプルで、マンションのようにスムーズに動くことができますよ。

 

平屋住宅のメリット③構造的に安定する

地震大国である日本に住む以上は、耐震対策は必須になりますが、平屋住宅は二階建ての家と比べると重量が軽くなる傾向があるので、家にかかる揺れを少なくすることができます。

揺れが少なくなることで、構造上の木材のズレも少なくなり、壁紙が破れるなどの被害リスクも減るので、メンテナンス面にも強くなるという効果もあります。

また、台風や強風が来た際にも、当たる面積が小さくなる場合が多く、平屋住宅は概ね災害に強い造りといえます。

 

平屋住宅のメリット④階段が不要

実は、階段というのは意外と面積を取ってしまいます。一般的に、2階建て住宅の場合では階段やそのホールに必要なスペースは4畳から5畳分と言われています。

しかし、平屋であれば階段を作る必要がありません。階段のスペースを省くことで、書斎にしたり寝室にしたり、子供部屋を作ったりと、さまざまな使い道が考えられます。

また、階段が必要ないので、ご高齢のご家族が階段を上り下りするときの労力を減らしたり、小さいお子様がいる場合には、階段からの転倒事故をなくすことができます。

特に、家庭内で起きる事故のうちの約2割は階段が原因といわれておりますので、階段をなくすことで事故の危険性を低くすることができますよ。

 

平屋住宅のメリット⑤老後のバリアフリーにも対応しやすい

平屋住宅のメリットとして、“階段が不要”ということを挙げましたが、これはご自身の老後の生活にも大きく関係してきます。

想像してみるとわかるように、老後に階段が無い生活というのは、非常に楽ですよね。若くて健全な時期にはあまり気にならないとは思いますが、この先もずっと住み続けることを考えると、階段が無く、バリアフリー化にも対応しやすいというのは大きなメリットになります。

人生100年時代とまでいわれている現在において、終の棲家としての住宅をご購入したいと考えている方も多いと思います。

一見すると、平屋住宅は高級や贅沢な家というイメージがあるかもしれませんが、老後の生活状況や住宅のバリアフリー化までも考慮したトータルコストを考えると、実は平屋住宅の方がお得になる場合もありますよ。

 

平屋住宅の5つのデメリット

平屋住宅のデメリット①広い土地が必要

平屋住宅では、同じ一階のフロアにいくつも部屋を作る必要があるので、二階建て住宅よりも広い敷地面積が必要になります。

元から広い土地を持っている方であれば関係ありませんが、これから土地を探したり、都心に平屋を建てたいという方にとっては大きなデメリットではないでしょうか。

コンパクトな配管計画をすることで建築費用を上手に抑え、その分を土地代に回すという方法もありますが、その前に、まずは平屋住宅を建てれるような適切な土地探しをすることが大切ですよ。

 

平屋住宅のデメリット②坪単価では高くなる

坪単価とは、1坪あたりにかかった建築費のことをいいます。平屋住宅においては、2階が無いことで建物の床面積が減るために、坪単価は高くなってしまいます。

同じ床面積の平屋と2階建てで比べた場合、平屋のほうが基礎部分の面積が広くなるため、工事に必要な費用も増えてしまいますし、上から見た場合の屋根面積も大きくなるため、工事費用が上がってしまいます。

これが、平屋が2階建てに比べて建築費用が1~3割増しになると言われる由縁です。

しかし、屋根を片流れ屋根や切妻屋根などにすることや、安価な屋根材にすることでコストを削減できますし、また、大きい屋根を太陽光発電に活すということもできます。

 

平屋住宅のデメリット③プライバシーが守られにくい

平屋住宅のメリットに、家族間でのコミュニケーションが取りやすいことが挙げられましたが、逆を言えば、お互いのプライベートが確保しにくいというデメリットにもなってしまいます。

個室を作ることはできますが、部屋の出入りは隠せませんし、音漏れなども完全に防ぐことは難しいです。

そのため、たとえ家族間といえどお互いのプライバシーを守るためにも、設計時にはロフトを作ったり、各部屋には必ずドアを設置したり、リビングに仕切りを作るなどの工夫が必要になります。

もちろん、平屋住宅においてもそれらの対策はプランニングの際に可能ですので、事前に建築家に相談しましょう。

 

平屋住宅のデメリット④防犯対策はしっかりとする

プライバシーの観点はもちろんのこと、防犯の面でも平屋住宅ではより念入りな注意が必要です。平屋住宅は、二階建ての家に比べて一階にある部屋数多くなり、窓の数も増えます。

そのため、どの部屋にも防犯対策は必須で、中でも防犯カメラ、防犯ガラス(二重ガラス、防犯フィルム)、センサーライトは基本要素になります。

最も効果が高いのは防犯カメラの設置ですが、他にも、その住まいの環境に合わせた防犯対策をする必要があります。

 

平屋住宅のデメリット⑤日当たりが悪くなる可能性もある

平屋住宅は、建築面積が広くなるほど、建物の中心部は日当たりが悪くなってしまいます。そのため、建物の中心部が他の部屋に囲まれてしまう造りの場合は、光や風通しに関しても配慮しなければなりません。

解決策として多いのが、中庭を設けること。建物の中心部を開けた庭にすることで、それぞれの部屋に日が差し込めるような造りにすることで、日当たりの問題をクリアしているケースは多くあります。また、天窓を設置して日当たりの良さを改善するケースもありますよ。

 

平屋住宅のメリットとデメリットのまとめ

今回は、新築で平屋住宅を建てる際のメリットとデメリットをそれぞれ5つ紹介しました。

平屋住宅には確かに“高級”というイメージはありますが、それ以外にも、住みやすさがあったり、老後の生活を見据えての対策がしっかりとできる造りになっており、今後も人気が高まる住宅です。

また、いくつかデメリットも紹介致しましたが、そのほとんどは、プランニングの際にしっかりと相談することで解決できるものばかりです。

これから新築を建てようか考えている方は、平屋住宅を検討してみてはいかがでしょうか。

家の性能とは?高性能住宅の基準とは?重要な6つのポイントを紹介

新築のマイホームを購入する際には、理想的な住まいで生活するためにも、家の間取りや構造、部屋の数、日当たりの良さ、さらには広々とした庭が欲しいなど、色んなことを考えますよね。
でも、理想的で快適な生活を送るためには、それらのポイントよりも大切な部分があるんです。

それが、「家の性能」

例えば、真冬の寒い日に外から帰ってきて、“寒さが身にしみる家”と、“徐々に暖かさが伝わってくる家”では、後者に住みたいと思いませんか?
この、寒い・暖かいというのが、家の元々の性能によって大きく違ってきます。

他にも、地震や台風などの災害の危険性のある日本では耐震性や耐久性のある家の方が好まれますが、耐震性・耐久性も家の性能の1つです。
今回は、新築を購入される際に考えるべき「家の性能」について、それぞれのポイントを紹介していきます。
家の性能にはどんなものがあるのかをしっかりと知ることで、理想的なマイホームを建てることができますよ。

そもそも、家の性能とは何か?

先程にも少し紹介した耐震性や耐久性も家の性能の1つですが、他にはどんなものがあるのでしょうか。

建築業界では、家の性能とは、主に下記の6つを示しています。

  1. 断熱性
  2. 気密性
  3. 耐震性
  4. 省エネ性
  5. 防火性
  6. 防犯性

また、これらの性能に優れた家を、「高性能住宅」と呼んでいます。この言葉自体は、聞いたことがある方も多いのではないかと思います。

地震の多い日本では、耐震性に優れた住宅を建てることはもちろんのこと、断熱性や省エネ性も兼ね揃えることで、快適かつ光熱費抑制にもつながる生活を送ることができます。
では次からは、家の性能の中でも重要なポイントについて紹介していきます。

家の性能のポイント1「耐震性」

耐震性とは、地震が発生したときの揺れに耐えられる度合いのことをいいます。
耐震性が高い家ほど、より大きな地震の揺れにさらされても倒壊や破損がしにくくなります。
建築基準法でも耐震性についての基準が定められておりますので、建築の際には一定以上の耐震性を備えた建物しか建設することができません。

また、建物の耐震性を評価する指標として、耐震等級があります。耐震等級は1級から3級まであり、数字が大きくなるにつれて耐震性も高くなりますが、1級以上に該当さえすれば、建設すること自体には問題がありません。

耐震等級

そして、耐震性には大きく3つの構造があります。

耐震:建物自体を強くして、地震に耐える構造
制振:地震の揺れを、建物内で吸収する構造
免震:地震の揺れをかわす構造。

それぞれ異なった特徴がありますが、日本の住宅のほとんどは「耐震」構造が備わっております。
耐震性を高めるメリットとしては、地震に強くなることはもちろんのこと、住宅が強風や台風などの影響を受けにくくなることもあげられます。

家の性能のポイント2「断熱性」

断熱性とは、熱が伝導することを妨げる性能のことをいいます。
家の温度は、窓や壁を通じて外の天気、気温に大きく影響されます。冬に寒くて、夏に熱くなってしまう家は、断熱性能が大きく関係しているためです。

断熱性能の高い家では、外気に面する外壁・屋根・窓から熱が逃げないようにすることで、家の内側と外側との熱の行き来が少なくなります。
そのために、冷暖房で快適な温度にした部屋の空気が外に逃げにくくなり、外の気温の影響を受けにくいので、効率よく部屋の温度を調節できるのです。
部屋の広さにもよりますが、断熱性を高めることで、エアコンなどの断熱器具の使用を抑えることができますので、省エネルギーや光熱費の抑制にもつながります。

家の性能のポイント3「気密性」

断熱性と同様に欠かせない性能が、家の気密性です。
先程、断熱性を高めることで効率よく部屋の温度調節を行えるとお伝えしました。
しかし、家の気密性が欠けてしまっていると、せっかくの高性能な断熱性も上手く役割を果たせなくなってしまいます。

気密性とは、建物に空気の通る隙間がない性質のことで、建物の断熱性能を発揮するために必要な性能になります。
家に隙間が多く存在してしまうと、室内の快適な空気が外に逃げてしまい、夏は暑く、冬は寒いという不快な環境になってしまいます。

気密性が必要な理由は主に以下の4つで、どれも快適に過ごすには欠かせないポイントになります。

  • 隙間を少なくし、室内温度を調節して省エネルギーにつなげる
  • 断熱性能の劣化を防ぐ
  • 家の腐敗(結露)を防ぐ
  • 換気を効率よく行い、臭いを防ぐ

家の断熱性能を考えるときは、必ず気密性もしっかりと考慮した構造にしましょう。

家の性能のポイント4「耐火・防火性能」

建物の火災時に対する性能として、耐火性能と防火性能の2種類があります。
耐火性能とは、建物自体の火事に対する“燃えにくさ”のことで、火災発生時の建物の倒壊や周囲への延焼を防止するような構造のことを指します。

耐火性能では、建物の壁や柱などが、熱による変形、溶解にどれだけ耐えられるかが規定されております。
一方で、防火性能とは、周辺の建築物から発生した火事の影響を防ぐための性能です。
建築基準法によって定められており、主に外壁と軒裏に防火性の高い材料を用いた構造のことをいいます。

特に、都心部で隣の家との距離がほとんどないような場合では、火災が発生するとすぐに近くの家に燃え移ってしまう可能性がありますが、防火性能を備えることで、延焼を防ぐことができます。

家の性能のポイント5「防犯性」

防犯性とは、お家が犯罪や不法行為から守られる程度や性能のことです。

日本は世界でも安全な国といわれてはおりますが、それでもやはり、まだまだ空き巣や侵入の被害はあり、防犯に対する意識も高まっております。
家の防犯といわれると、玄関のピッキング(施錠開け)をイメージする方も多いとは思いますが、実は、空き巣被害の約6割は、窓ガラスを破って侵入するケースなのです。

窓ガラスを割ったり、あるいは燃やしたりすることで、そこから手を差し込み鍵を空けて侵入する手口です。
家の防犯性能を高めるためには、防犯用の強固な窓ガラスを備えることや、サッシ(窓ガラスの鍵)を二重にするなどの対策が必要になります。

また、玄関のドア鍵も複数設置したり、複雑な仕組みの物を使用してみるのも1つの方法です。
加えて、防犯警報装置や、夜間のオートライトなども設置することで、人通りの少ない場所でもしっかりと防犯対策をすることができます。
防犯対策を施すことで100%犯罪を防げるわけではありませんが、被害に合う確率は大きく下げることは可能です。

家の性能のポイント6「耐久性」

家の性能における「耐久性」は、家を資産として考えるためにも大切なポイントです。
耐久性と一言にいっても、一括りにはできす、先程紹介してきた耐震性や断熱性、気密性など、様々なポイントが大きく関わっています。

また、家を「物」ではなく、「使い方」の観点から見たときの耐久性もあります。
仮に耐震性や断熱性が高かったとしても、ご家族や住まわれている方の成長に伴って変化していくライフスタイルに対応できなければ、構造的な寿命はまだでも、建て替えやリフォームが必要になる場合もあります。

そのため、家の性能はもちろんのこと、様々な状態に対応できる住まいを考えることが、家の持つ耐久性を高める対策になります。

家の性能ポイントを知ることで、理想的な住まいを見つけられる!

今回は、家の性能である6つのポイントを、それぞれ特徴を併せて紹介しました。

あなたやご家族の理想的な暮らしのためにも、家の性能に加えて、今後のライフスタイルの変化も考慮したマイホーム作りが大切です。

これから新築を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

家の設計や注文住宅ってどうすればいいの?住宅設計するときのポイントとは

念願のマイホームを建てようと考えたときに1番大切なポイントである「家の設計」。

“〇〇な家に住みたい!”という希望はあっても、それをどう実現したり、どこに相談を持ちかければいいか分からない方も少なからずいらっしゃると思います。

そこで今回は、家の設計についての基本的なポイントを紹介していきます。
マイホームの購入を検討している方や、家の設計をどこから考えればいいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

注文住宅において、家の設計はどのタイミングで行うの?

注文住宅において、家の設計はどのタイミングで行うの?

新築での家作りというのは、一生に何度も経験することではありません。
そのため、「新築でマイホームを建てたい!」と思ったとしても、何から手を付けたらいいかわからない方も多いのではないでしょうか?

家の設計の話に入る前に、まずは家作りの大まかな流れを紹介します。
もちろん、依頼する会社やメーカーによって多少の違いはありますが、一般的には下記の流れで家作りは進んでいきます。

  1. 家を建てるための情報取集、資金計画
  2. 土地探し、土地売買による手続き等
  3. 家作りを依頼する会社の選定
  4. 基本設計と実施設計
  5. 建築確認申請
  6. 工事開始
  7. 工事終了、引き渡し

そして、家の設計に大きく関わるのは、上記のうち、「3.家作りを依頼する会社の選定」と「4.基本設計と実施設計」のタイミングです。
これらの工程によって、理想的な住まいを作れるかが決まります。

家の設計を依頼できる会社は大きく分けて3つ

家の設計を依頼できる会社は大きく分けて3つ

家の設計を依頼できる会社は、大きく分けて3つあり、それぞれ「ハウスメーカー」、「工務店」、「設計事務所」になります。

3つの会社にはそれぞれの特徴がありますので、自分やご家族がどんな計画でマイホームを建てようとしているのかによって、それに適した会社も大きく変わってきます。

ハウスメーカー

ハウスメーカーの特徴は、高品質の住宅を大量かつ低コストで供給することができるため、建築にかかるコストは安くなる傾向が多いです。
一方で、規格住宅という前提であり、設計の自由度は高いとはいえません。

しかし、ハウスメーカーによっては対応可能な範囲は広く、全く自由がないわけでもありませんので、依頼するハウスメーカーについてはしっかりと情報を取集し、担当者とも密に相談してみるのがベストです。

工務店

工務店と一言にいっても、様々な規模や形態の会社があり、一概にはいえないというのが実情ではありますが、それでも総じて、家の設計におけるコストパフォーマンスの良さは挙げられます。

家の設計自体も、設計事務所ほどではないにしろ、比較的自由度はあります。
しかし、工務店の主業務はあくまでも施工であり、家の設計においては依頼者の要望よりも施工側の意向が強くなるケースもあります。

設計事務所

設計事務所では家の設計だけを専門に行い、施工は工務店に依頼します。
そのため、ハウスメーカーや工務店に比べると自由度が高く、ご自身の要望やデザイン性に優れた家を作ることができます。

しかし、その分のコストは他の2社よりも大きくなります。
このように、家の設計を依頼する会社によって特徴やコスト面でも大きく異なりますので、ご家族の理想の住まいを作るためにも、家の設計を依頼する会社は重要なポイントになります。

家の設計にかかる費用(設計料)について

家の設計にかかる費用(設計料)について

設計料とは、家の設計作業の対価のことです。また、設計図面の通りに工事が行われているかをチェックする「監理」を含める場合には、設計監理料と呼ばれます。

  • 設計料…家の設計作業費用
  • 設計監理料…設計図面通りに工事が行われているかをチェックする費用

一般的に、工務店やハウスメーカーの設計料の相場は、総工事費の2~5%前後だといわれています。つまり、総工事費が2000万円であれば、そのうちの40~100万円程度が設計料になります。

一方で、設計事務所の場合では、施工は行わず設計のみを手がけるので、設計事務所の多くは工事金額に料率を掛けた額を設計監理料としており、その分のコストがかかります。
先程、設計事務所は家の設計での自由度が高いとお伝えしましたが、そのためには図面をゼロベースから作成するので、ハウスメーカーに比べると数倍の量の設計図面を描く必要があります。

このように、単純なコスト面だけを見ると、設計事務所の方が設計料は多くかかりますが、理想的な住まいに近づけるという大きなメリットもあります。
ですので、それぞれの会社の特徴を加味して資金管理をすることが重要です。

家の設計における「基本設計」と「実施設計」について

次に、「家作りの流れ」の工程の中にあった、基本設計と実施設計の違いについて紹介していきます。
基本設計は、建てる家の基本的な構想をまとめたもので、大まかな平面図や建物のイメージをおこしていきます。この段階で、実施設計へ向けての方針を決めていきます。

相陽建設では基本設計時に「コンセプトシート」を作り、暮らしのイメージができるようにしています。
相陽建設では基本設計時に「コンセプトシート」を作り、暮らしのイメージができるようにしています。

実施設計は、基本設計で決めたイメージを元に、実際の見積もりや工事に使う図面を作成します。実施設計では、構想ではなく、具体的で細かな情報まで盛り込み作業していくことが、基本設計との大きな違いになります。

実施設計では、これまで設計してきた内容と合わせて、具体的な寸法を記入した図面に起こします。
実施設計では、これまで設計してきた内容と合わせて、具体的な寸法を記入した図面に起こします。

家の設計で1番大切なポイントは「暮らしをイメージ」すること

家の設計で1番大切なポイントは「暮らしをイメージ」すること

ここまで家の設計についての特徴をお伝えしてきました。
設計を依頼する会社や設計の際のコスト面、自由度など、家の設計には様々なポイントがありますが、それよりも大切なことがあります。

それは、新築マイホームでの「暮らしをイメージ」をすることです。
マイホームを建てたことで、どんな生活をしたいのか。あるいは、どんな暮らしが送れるようになるのかをイメージすることは、とても大切です。

広いリビングで、家族団欒の時間を作りたい

日の当たる庭で、のんびりしたい

子供には、1人1部屋を与えたい

できるできないは別にして、まずはたくさんの理想を挙げることで、どんなマイホームにすればいいかの方向性が定まってきます。
逆に、暮らしのイメージが定まらないと、いつまでも軸がブレてしまい、結果的に満足のいく住まいを作ることができなくなってしまいます。

家の設計を考えるときには、まずは新居での暮らしをイメージしてみてください。

「家の設計」は理想的な住まいを作るための基盤!

「家の設計」は理想的な住まいを作るための基盤!

今回は、家の設計についてのポイントについて紹介しました。

ご家族の理想とする住まいを作るためにも、家の設計を依頼する会社は特に重要な工程になります。
家作りで後悔をしないためにも、まずはご家族が“家に求めるもの”をしっかりと把握した上でマイホームの設計をすることが、1番の成功の秘訣です。

これから新しくマイホームを購入しようか考えている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

住宅に使われる素材「漆喰」とは?メリットとデメリットを紹介

漆喰という言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはよくわからないという方も多いと思います。
多くの住宅や歴史的建造物にも使用されてきた漆喰ですが、どんな特徴があるのでしょうか。
今回は、漆喰の特徴と、漆喰を使用した際のメリット・デメリットを合わせて8つ紹介していきます。
新居の購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

漆喰(しっくい)とは?

漆喰(しっくい)とは、水酸化カルシウムを主原料とした塗り壁素材のことです。
長い年月をかけて海から地表へ隆起したサンゴ礁を原料に、糊やスサを加え水で練って加工したものが漆喰です。

漆喰は、主に壁の上塗りに使用されることが多く、色は白で、人工的ではなく自然に発色したような綺麗な白色が特徴的です。日本の世界遺産で別名“白鷺城”とも呼ばれる「姫路城」をはじめ、お城の真っ白な壁にも使われております。
その鮮やかな白色は多くの住宅でも使用され、近年では若いご家族でも人気が高まっている壁塗り素材となっております。

 

漆喰の歴史について

漆喰は日本の建築素材だと思う方も多いとは思いますが、実は漆喰の歴史はとても古く、今から5000年前のエジプト・ピラミッドの壁に使われたのが起源といわれております。他にも、古代ギリシャやローマ時代の歴史的建築物にも幅広い用途で使用されておりました。

日本では、飛鳥時代に中国から伝わったとされており、その後、お城や神社仏閣をはじめとした高級健在として一般化しました。
さて、古くからの歴史ある漆喰ですが、どんな特徴があるのでしょうか?
次は、漆喰のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきますね。

 

漆喰を内装に使うメリット

漆喰のメリット①時間が経っても劣化しない

漆喰と同様に壁の素材として使用されるビニールクロスは、比較的安く、かつ簡単に貼れるというメリットがありますが、時間とともに汚れや剥がれなどが発生してしまいます。
しかし、漆喰は時間が経ってもほとんど変化することがなく、劣化しないという特徴があります。漆喰の成分である消石灰が静電気を溜め込まないという性質があり、埃や汚れを付着させにくいため、漆喰の美しい白さを保つことができるのです。

 

漆喰のメリット②気軽にお手入れができる

先程、漆喰は時間が経っても劣化しない、とお伝えしましたが、それはすなわち、“メンテナンスのしやすさ”にもつながります。
また、もし少しの汚れが付いてしまったときも壁を張り替える必要はなく、漆喰を薄く上塗りすること綺麗にすることができます。

 

漆喰のメリット③優れた調湿効果

調湿効果とは、室内の湿度を調整する機能のことです。漆喰には、細かな多孔質の素材であるために、湿度が高いと水分を吸い、低いと水分を放出する働きがあります。

部屋の湿度を快適な状態に保つことで、結露を防止し建物の耐久性を維持したり、ダニやカビなどの発生を抑制することができます。

 

漆喰のメリット④優れた耐火性

漆喰は燃えにくい素材としても有名で、不燃材料として建築基準法にも認定されております。
万が一、家で出火が起きたとしても、火が出火元の部屋から広がりにくいという特性があり、家の防火対策としても有効です。

また、ビニールクロスは、燃えると有毒ガスを発生する可能性がありますが、漆喰は自然素材であるために有毒ガスを発生する可能性は極めて低く、この点も大きなメリットになります。

 

漆喰のメリット⑤抗菌性がある

漆喰は強アルカリ性のため、強い殺菌作用があります。そのため、細菌の育生や増殖を抑え、カビやダニの発生を抑制する働きがあります。

もちろん、しっかりと乾燥させて、硬化した漆喰の壁は人間には害がありませんので、ご安心ください。

 

漆喰のデメリット

漆喰のデメリット①施工期間が長くなる

漆喰塗りの場合は、ビニールクロスのようにただ接着剤などで貼り付けて終わりというわけにはいきません。壁に漆喰を塗り、それを押さえてから乾かさなければなりません。そのため、他の素材よりも施工時間が長くなります。
工期が長くなるということは、その分費用の面でもコストがかかってしまいます。

しかし先程、メンテナンスが楽とお伝えしたように、ビニールクロスのように何度も張り替える必要はないため、長期的な目で見れば、漆喰はコスパに優れた素材ともいえます。
最初にあまり予算を割けないという方は、ある程度の金額を決めた範囲で考慮することをおすすめします。

 

漆喰のデメリット②ひび割れが起きる可能性がある

漆喰には、ひび割れというデメリットもあります。日常生活を送る中でひび割れが起こるケースは少ないですが、施工環境の影響や、外壁の場合は天候の影響によって壁に傷が付くことでひび割れにつながることがあります。

そのため、当たり前ではありますが、施工の際は正しい手順で作業を行うことが大切になります。また、雨や台風などの天候に関しては、撥水性の成分を混ぜて塗ることで、ひび割れのリスクを軽減することができます。

 

漆喰のデメリット③汚れが目立つ

漆喰を使った真っ白な壁はとても美しくはありますが、一方で、汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。
漆喰は調湿効果も高いので、特にコーヒーなどの色の濃い飲み物をこぼしてしまったときは、早めに処理をする必要があります。また、内壁では電気のスイッチ周りは手垢で汚れてしまうことが多いです。

もし漆喰の壁を汚してしまったときには、消しゴムや紙やすりなどで削ることで、応急処置が可能です。
漆喰はとても美しい素材ではありますが、汚れが目立ちやすいということは頭に入れておいてくださいね。

 

まとめ

今回は、住宅の壁素材として多く使用される漆喰の特徴についてご紹介しました。
漆喰は、日本のお城にも使われている歴史ある素材であり、住宅に使う際のメリットも多く、若い方々を中心に年々人気が高まっています。

住まいというのは、ものの数年ではなく、この先何十年も生活をともにする空間です。
デザインやこだわり、予算などももちろん大切ではありますが、家に使用する素材もまた、理想的な住まいを作るために重要なポイントになります。

新居を建てようか悩まれている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

家の外構ってどこ?エクステリアの意味も合わせて紹介

家作りの計画では、「どんな構造にしようか」、「部屋はいくつ作ろうか」など、家の内面のことばかり考えがちになってはいませんか?
もちろんそれらも大切ではありますが、家の周りの部分、つまりは家の「外構」も、家作りにはとても重要なポイントになります。

今回は、家の外構についての概要と、外構それぞれのポイントを7つ紹介していきます。
家作りに悩まれている方や、これから新しく家作りを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

そもそも、「外構」とは家のどの場所を指すのか?

外構とは、門や庭、ガレージ、照明、植栽など、家や建物の周りの構造物のことをいいます。外構はマンションでも一戸建てでも、建物の顔となる部分であり、理想的な家作りには欠かせないポイントです。

また、外構は家のアクセントになるだけではなく、実用的な役割も担うスペースにもなります。そのため、家を作る際には、外構のイメージだけではなく、それが生活する上でどのように機能するのかまでしっかりと考えなければいけません。

 

エクステリアとは?

外構に似た意味の言葉で、エクステリアというものがあります。

外構は家や建物の周りにある構造物を指すのに対し、エクステリアは、建物周りの構造物や設備を全て含めた「空間の環境」を意味します。

つまりは、門やガレージというのは“家の外構”であり、それぞれが“エクステリアのうちの1つの要素”ということになります。
エクステリアは、植栽を変えたり、照明の明るさを調整したりなど、リフォームの幅が家の中よりも広いことが特徴的です。

 

外構やエクステリアが家作りで重要な理由

家の外構やエクステリアというのは、家作りでも非常に重要なポイントになります。
というのも、外構やエクステリアは“家の顔”ともいえる場所。そのため、門周りや玄関のアプローチなど、外構のデザインにこだわることで、家の印象をアップすることができるのです。

また、エクステリアを充実させることで、「走り回れる庭を作りたい」、「大きなガレージを作って、欲しかった車を買いたい」など、理想的な住まいや生活を実現することができます。
他にも、外構のデザインは防犯や防災にもつながりますので、マイホームで快適な生活を送るためにも、家作りの際には外構やエクステリアは欠かせない部分になります。

では次からは、外構を考える際のポイントについて、各場所ごとに紹介していきます。

 

外構のポイント

外構のポイント①門扉・門柱

家の顔とも呼べる門扉は、アルミ製や木製、アイアンなど、素材の種類やデザインが豊富にあります。それぞれの素材には特徴があり、選ぶ素材によって家の印象も大きく変わります。

門扉は、理想の家に合うデザインを選ぶことは大切ではありますが、それ以上に、家周辺の環境や雰囲気に合わせることも大事です。

また、家の入り口としての役割もありますので、機能性や防犯性も欠かせません。

開閉方法も両開きから、片開き、スライド式など、様々なタイプがあり、防犯性も兼ね揃えた門扉もたくさんありますので、生活スタイルや周辺の環境に合わせたものを選ぶと良いでしょう。

 

外構のポイント②フェンス

フェンスとは柵や囲いのことで、エクステリアにフェンスを設置することで外部から家の中が見えないようにしたり、子供やペットの飛び出し防止などの防犯性を高めることができます。

フェンスの素材は主にアルミ製や木製ですが、他にも、ブロック堀や樹木を植える生垣など、様々なタイプのものがあります。

またフェンスの設置方法も、家の周り全体を囲む方法や、気になる部分のみに目隠しフェンスを設置する方法などがありますので、設置スペースや費用に加え、理想のエクステリアに見合ったフェンスを選びましょう。

 

外構のポイント③玄関アプローチ

玄関アプローチとは、門扉から玄関の扉まで続く通路のことです。アプローチは、ご家族だけではなく、来客様や周囲の人々の目に留まることも多い場所でもありますので、家の外観やエクステリアに合うようなデザインを選ぶことがオススメです。

アプローチの素材はコンクリートやレンガ、タイルなどが一般的ではありますが、お子様やご高齢の方が住まわれる場合には、転んだり、滑らないような工夫をすることも大切です。

また、今後のライフスタイルを考慮して、車椅子でも通れるような幅の広いアプローチを設置したり、自転車を置けるスペースを作ったりなど、機能性を取り入れることもできます。

 

外構のポイント④デッキ・テラス

一般的に、室内の床と高さが同じものをデッキ、庭よりも一段高くなった場所はテラスと呼ばれています。どちらも家のリビングとつながっており、外部リビングとしての役割を担っています。

デッキとテラスの素材はレンガやタイル、コンクリートなど、様々な物があります。他にも、人気の高いウッドデッキと呼ばれる木製のものや、ガラスの壁や天井で覆ったサンルームなど、バリエーションも豊富にありますので、好みのものを選んでみてはいかがでしょうか。

また、屋根の有無や、家のどこに設置するかなどのポイントも多くあり、デッキやテラスは、エクステリアの中でも非常に自由度の高い部分となっております。

 

外構のポイント⑤カーポート・ガレージ

車の購入を予定されている方であれば、車を停めるスペースも作る必要があります。

駐車スペースには様々なものがありますが、屋根はあるが壁がないものをカーポート、周り全てを囲むことのできる建造物をガレージ、屋根のない駐車スペースは駐車場と呼ばれます。

駐車スペースを考える際にはデザインだけではなく、車の台数や道路への接し方、防雪、安全性など様々なポイントを押さえなければなりません。そのため、家の周りの環境を考慮した駐車スペースを作るためにも、住宅会社の担当者とよく相談しながら決めることが大切です。

 

外構のポイント⑥植栽

植栽とは、エクステリアに植えられた樹木や草花のことです。観賞用として花壇を置いたり、庭の一部に植栽スペースを設けたりなど、様々なバリエーションに富んでいます。

また、家の窓やベランダの近くに大きな樹木を植えることで、外から家の内面を見れないように目隠しできるので、防犯性という観点からも植栽は大きな役割を担うことができますよ。

 

外構のポイント⑦照明

家周りの照明は、夜間の外構を印象的に演出するために大きく役立ちます。玄関アプローチや庭、テラスなどに照明を施すだけでも、昼間とは違った雰囲気にすることができます。

また、家の安全性や防犯性を高めるためにも、照明の設置はオススメです。外構の中には、夜間で非常に暗くなってしまう場所もありますが、照明1つ設置するだけでも十分に明るくなります。

最近では、玄関前や表札前を明るくする玄関ライトや、人通りの少ない夜間でも機能するオートライトの人気が高まっています。

 

理想的な住まいのためにも「外構」は欠かせないポイント!

今回は、家の外構におけるそれぞれのポイントを紹介しました。

外構やエクステリアは、家の印象を大きく決める部分であり、家作りでは欠かせないポイントです。

デザインはもちろんのこと、機能性や防犯性としての働きも期待できますので、ご家族の理想の住まいはどんな家なのか、今後のライフスタイルはどのように変化するのか、などをしっかりと考えることで、住まいに合った外構やエクステリアを見つけることができます。

これから新しく家作りを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

「家の基礎」の重要性と基礎工事の種類について紹介

新しく家を建てる時には、部屋の間取りや家の外観、エクステリアなどには関心があっても、家の基礎の部分はあまり深くは考えなかったり、あるいはよく分からなかったりするという方もいらっしゃいます。

しかし、どんなことでも“基礎”が大事といわれるように、家の基礎も、家を建てるときには非常に重要なポイントになります。

家の基礎には大きく「直接基礎」と「杭基礎」の2種類に分けることができますが、それぞれに特徴があるのと同時に、どの基礎がどんな家や土地に適しているのかをしっかりと理解することが大切です。

今回は、家の基礎である上記2つの紹介に加え、直接基礎のうちの3つの種類(ベタ基礎、布基礎、独立基礎)それぞれの特徴を紹介していきます。 新しく家を建てる前に、家を支える基礎の部分について知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

住宅の基礎とは?

住宅の基礎

住宅の建築における基礎とは、建物の1番下で支える土台の部分を指します。 建物は非常に重いために、土や地面の上にそのままの状態で建てても、地面が耐えきれずに沈んでしまったり、地震の際に建物が傾いてしまう恐れがあります。

そのため、日々私たちが安心して生活するためにも、建物の下の部分に家の基礎という土台を作ることで沈下や転倒を防止しているのです。

そして、家の基礎を作る工程の段階を「基礎工事」と呼びます。 基礎工事には大きく分けると「直接基礎」「杭基礎」の2つがあり、直接基礎にはさらに3つの種類「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」があります。

「直接基礎」と「杭基礎」の違いについて

では次に、直接基礎と杭基礎の違いについて紹介していきます。

直接基礎とは

直接基礎とは、地中にコンクリートを流し込み建物を支える基礎のことで、主に建物直下の地盤が固くて強い場合に採用されます。 また、先程にもお伝えしたように、直接基礎には3つの種類(ベタ基礎・布基礎、独立基礎)があり、後ほど詳しくご紹介します。

杭基礎とは

杭基礎とは、細長い杭を地下深くまで打ち込む基礎のことをいい、建物直下に強い地盤がない場合に採用されます。 杭で支えるといっても、地中の奥深くの強いところまで杭が達していますので、杭基礎でも十分な耐久があります。

次の項からは、ほとんどの住宅建設で採用されている直接基礎の中の3つの基礎の種類について紹介していきます。

住宅の直接基礎の種類「ベタ基礎」

ベタ基礎は、近年ではほとんどの家が取り入れている基礎工事方法で、建物の底一面をコンクリートで覆い、面で支える基礎です。

ベタ基礎の特徴は大きく2つあり、1つは「安全性が高い」ことです。

建物の底一面を、その分の面で支えておりますので、地震の揺れや不同沈下にも強い作りとなっております。

もう1つの特徴は、「腐食や害虫被害に強い」ことです。

住宅の被害の中でも多い「シロアリ」は、床下の土中から家の部分に這い上がり被害を及ぼしますが、ベタ基礎であれば家の床と基礎の部分が密着しているので、シロアリが入る隙間がありません。 また、湿気も溜まりにくいために、カビや腐食にも強い点も挙げられます。

ただし、ベタ基礎は床一面をコンクリートで覆うために、他の基礎の種類よりも工事のコストがかかってしまうというデメリットもあります。

住宅の直接基礎の種類「布基礎」

布基礎は、建物の柱の下と、柱間の部分だけにコンクリートで基礎を作る方法です。 ベタ基礎が建物を面で支えるのに対して、布基礎では建物を点で支えることで、家の基礎としての役割を果たしています。 ベタ基礎が主流となる1990年代以前では、ほとんどの家では布基礎方法が取り入れられておりました。

布基礎の特徴としては、ベタ基礎のように床一面にコンクリートを流す必要がないので、その分のコストを削減できることが挙げられます。 また、面ではなく点で支える構造のために、耐久性ではベタ基礎に劣ってしまう部分もありますが、それでも地盤がしっかりしている土地や地盤改良が行われている場所では、布基礎でも問題なく建築することができます。

しかし、布基礎の床下には湿気や溜まりやすく、ベタ基礎に比べるとカビやシロアリの被害を受ける危険性が高まります。

住宅の直接基礎の種類「独立基礎」

独立基礎はその名の通り、それぞれの基礎が独立して建物を支える仕組みとなっております。

住宅の建築ではあまり用いられない方法ですが、玄関のポーチやデッキ部分など、家の一部分のみに使われることがあります。

逆に、非住宅建築物では独立基礎方法を採用することがほとんどであり、「地中梁」と呼ばれる鉄筋コンクリートの梁で基礎同士をつなぐことで、建物を支えています。

また、独立基礎は柱の下のみに基礎を設置するので、コストは非常に安くなります。

住宅の基礎を知ることは、マイホーム購入への第一歩!

住宅の基礎を知ることは、マイホーム購入への第一歩!

今回は、住宅における基礎工事の種類と、それぞれの特徴を紹介しました。

住宅に採用される基礎のほとんどはベタ基礎ですが、場合によっては布基礎でも十分なケースがあります。この2つの基礎は一概に優劣を付けることはできず、ご家族が家を建てる予定の土地や環境、さらには予算など、様々な角度から見て選ぶことが大切です。

また、家の購入は決して安いものではありませんので、この先も長く安心した生活を送るためにも、家の土台となる基礎の部分は、建築前にしっかりと考える必要があります。

ぜひ今回の記事を参考に、家の基礎についての理解を深めて頂ければと思います。

リフォーム?建て替え?それぞれの選び方や費用について

今の住まいで長らく生活していると、家の建て替えやリフォームを検討されるケースも多くなりますが、そんな時、「家を建て替えるか、リフォームするか」で悩まれてはいませんか?

今回は、建て替えかリフォームのどちらかを検討されている方に向けて、建て替えとリフォームの違いと、建て替えにかかる主な費用について紹介します。

どちらを選択すればいいか悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

家の建て替えとは?

家の建て替えとは、既存の建物を基礎部分から一度取り壊し、その場所に新しく住宅を建てることをいいます。
「せっかく建てた家をわざわざ取り壊すなんてもったいない。」と思う方も、たくさんいらっしゃるかと思います。

しかし、家に住むご家族のライフスタイルというのは、時が経つにつれて大きく変化していくものです。家を建てた当時では小さかったお子様も立派に成長し、社会人として1人暮らしをはじめたので子供部屋が余ってしまった。一緒に住むご両親のお身体が悪くなり、手すりやスロープなどのバリアフリー化が必要になった。

このように、ライフスタイルの変化とともに、家の持つ役割は大きく変わっていきます。

家の建て替えを行うことで、また新たに一から家の間取りや構造を考えることができるので、家の住まわれているご家族のこれからのライフスタイルを考慮し、今よりも住みやすい家にすることができます。
また、長らく同じ家に住んでいると、家の様々な箇所の老朽化という問題も起こります。住宅の寿命は約30年といわれており、ライフスタイルの大きな変化のタイミングと合わせて、家の建て替えを検討されるご家族は増えております。

リフォームとは?

家のリフォームとは、家の基礎部分は残したままで一部分を改善、増築、修復することをいいます。
家全体を建て替える必要はないけれど、劣化しやすい水回りや外壁の修復をしたい場合にはリフォームが選択されます。

建て替えのように一から建物を作るわけではないので、間取りや部屋の構造などの部分は変更できませんが、その分建て替えをするよりかは手軽かつ低コストで行うことができます。
最近では、家の骨格部分だけを残してリフォームを行う全面リフォーム(スケルトンリフォーム)の人気も高まっています。

コスト面だけならリフォームの方が安い

一から住宅を建てる「建て替え」と、家の一部分のみを改築する「リフォーム」では、リフォームの方がコスト面は安く抑えることができます。
リフォームでは、家を取り壊してから新しく建築する必要がありませんので、その分の建築費や解体費がかかりません。

しかし、リフォームは建て替えとは異なり、家の間取りや構造までは大きく変更できないために、家の自由度は建て替えよりは低くなってしまいます。
そのため、せっかくリフォームをしても、今現在抱えている課題の全てを解決できないケースもあります。また、リフォームの際に家の補強をしない場合は、家の老朽化の問題もあり、建て替え時よりも耐久性が劣ってしまうことも考えられます。

一方で、家の建て替えでは、コスト面ではリフォームよりも大きいものの、より理想の住まいに近い家に建て替えることができます。
どちらも大きなメリット、デメリットがありますので、まずは今の家がどんな課題を抱えているのかを把握することが大切です。

建て替えにかかる費用について

次は、家の建て替えにかかる主な費用と、その一般的な金額について紹介していきます。
実は、建て替えには解体費や建築費以外にも、様々な費用がかかります。
建て替えをしたいけれどコスト面が不安な方は、一度、建て替えにかかる費用を知ることで、より今の住まいに適した選択をすることができますよ。

解体費用

建て替えでは、既存の建物を一度取り壊す作業が必要であり、その費用として解体費がかかります。

解体費は、多くの場合では「坪単価」で計算され、取り壊す家の建築方法によって目安となる金額が異なっております。1坪は、約3.3平方メートルです。

・木造:2万円~5万円
・鉄骨:3万円~6万円
・鉄筋コンクリート:5万円~7万円

上記は大体の相場の金額になりますので、住まいの場所や環境によって多少の誤差があります。
事前に業者へ確認をしておきましょう。

設計費用

新しく家を作るための設計の費用も、建て替え費用のうちの1つに含まれます。
設計費用は、依頼する会社の種類にもよりますが、一般的な相場は建築費用の約5%~15%の金額となっております。
家の設計は、建て替えにおける重要なポイントの1つです。

家がどんな設計になるのかは依頼をする住宅会社や工務店によって大きく左右されますので、相手と念入りに相談を行い、しっかりとこちらの考える新しい住まいのイメージを伝えるようにしましょう。

建築費用

家の建て替え費用の中でも1番の割合を占めるのが、家を新しく建てるための建築費です。

建築費用は、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート工法によっても変わってきます。建築費も解体費同様に、一坪単価での金額によって決まります。
・木造(従来の工法):30万円~80万円
・木造(ツーバイフォー工法):40万円~90万円
・鉄骨、鉄筋コンクリート工法:60万円~100万円
上記の金額が一般的な相場の金額になりますので、土地やエリアによって金額が前後します。

ちなみに、木造ツーバイフォー工法とは、事前に建築に使えるように工場で加工された材料を使用する方法で、施工業者によって住宅の性能が左右されにくいといわれております。

また、一般的な木造工法と比べて耐震性に優れている上に、間取りが広い傾向にあり、従来の木造工法よりかは費用が高くなる傾向にあります。

仮住まい費用

家を一度取り壊すということは、工事の期間は他の家に住まなければ生活ができません。そのため、家の建て替えにおいては、工事中の仮住まいを探す必要があります。

建て替えの工事の期間はおおよそ6ヶ月ですので、その6ヶ月分の仮住まいの家賃や、賃貸契約をする際の敷金礼金が仮住まいの費用としてかかります。
家賃は県や地域によって大きく異なりますので一概にはいえませんが、月に約8万円~15万円程度の金額を見積もっておくといいのではないでしょうか。

また、一部の方では、工事中の期間だけそれぞれのご両親の住む実家で生活し、余分な家具や荷物はレンタルボックスに預けてしまう、という方法で生活されるケースもあります。

引っ越し費用

仮住まいで生活する場合は、既存の家から仮住まいへの引っ越しと、仮住まいから建て替えた新居に引っ越す際の、計2回の引っ越し作業が必要になります。

引っ越し代は、時期や荷物の量によって金額が大きく変わりますが、計2回の引っ越し費用として約20万円程は見積もっておいた方がいいでしょう。

諸経費、登記費用など

家を解体したときには、法務局の登記簿から建物がなくなったことを登記するための「建物滅失登記」が、家を新しく建てた際には「表示登記」などの手続きと申請が必要になります。

これらは基本的には専門家に依頼するので、その分の費用もかかります。

加えて、新築を取得したことで発生する不動産取得税や、登録免許税などの税金も発生しますので、家の建て替えにおける諸経費はしっかりと把握しておきましょう。

建て替えかリフォームかで迷っている場合には?

建て替えにするかリフォームにするかは、多くの方が悩まれる問題でもあります。

どちらを選ぶにしても、決して安い金額ではありません。正しい選択をするためにも、まずは、今住まわれている住宅の問題点を挙げてみることが大切です。

建て替えとリフォームのメリット、デメリットをそれぞれ理解し、今の住まいの状況と今後のご家族のライフスタイルを考えて、どちらを選べばいいのかをしっかりとご家族で相談することが、理想的な住まい作りにつながります。
また、コスト面もしっかりと考慮する必要はありますが、理想的な住まいを作るためには、お金のことだけを中心に考えるのは少しもったいないです。

家の状況は様々であり、建て替えとリフォームのどちらが良いかは、一概には決めることができません。
もしどうしても、ご自身やご家族だけでは決められない、という場合には、一度、住宅会社や工務店に行ってみてください。そこで、建て替えとリフォームの両方の見積もりをお願いしましょう。

その際には、“自分たちはこんな住まいで生活したい”というイメージをしっかりと相手に伝えることが大事です。
建て替えかリフォームを検討されている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

木で建てられた家に住むメリットとは?建てる際の注意点も紹介

新しく家を建てようと考えている人の中には、自然素材である“木”をふんだんに使った家に住みたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
最近では、多くの住宅メーカーや工務店も、木の家づくりに力を入れております。
そこで今回は、自然素材の木で建てられた家に住むメリットを5つと、木の家を建てる際に注意することを2つ紹介します。
新しく家を建てようか考えている人や、木で建てられた家について気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

木の家がもつ5つのメリット

木の家のメリット①防ダニ効果

近年では住宅様式の変化に伴って、室内に生息するダニの数が増加しているといわれております。
その原因の1つは、住宅の建築に使用される素材の変化です。従来の木造住宅が減り、代わりにコンクリート造やプレハブ造の住宅が増えました。
そのおかけで、住宅の気密性は高く保たれるようになりましたが、一方で、室内の空気の流れが悪くなってしまい、ダニの好む湿度の高い環境も多く作られてしまいます。
加えて、暖房設備や家電製品の進化に伴い室内が高温多湿になることや、カーペットや絨毯など使用によりダニの生息に最適な条件が増えたことも、ダニが増加する原因になります。

しかし、木で建てられた家や、自然素材を使用した家では、防ダニ効果が期待できるのです。
ダニは、木の出す独特の匂いを嫌がります。また、檜をはじめとした自然素材に使用される木の精油には、ダニや細菌類の増殖を抑える効果もあります。
加えて、木の持つ調湿効果によって室内の結露の発生やカビの増殖も抑制できますので、ダニが生息しにくい環境を作ることができます。

また、ダニはアレルギー症状の原因の1つでもあります。木で建てられた家は、アトピー性皮膚炎や喘息をお持ちの方でも快適に過ごすことができます。

 

木の家のメリット②悪臭を吸い取る

木には、部屋の嫌な臭いを吸収したり、空気中の有害成分を浄化する働きがあります。
家の素材となる多くの木には、消臭効果や抗菌性を持つ香りの成分である「フィトンチッド」が含まれております。この成分が部屋中に漂うことで部屋の中の悪臭を吸い取り、嫌な臭いを消すことができます。

また、木材の一種であるヒバには、ヒノキチオールという成分が含まれております。このヒノキチオールは近年でも注目されている成分で、防臭効果に加えて抗菌作用も期待できるといわれております。
他にも、檜やヒバには空気中のホルムアルデヒドや有害物質を吸い取る働きがあります。そのため、ハウスシック症候群やアレルギー対策としても大いに効果が期待できます。

 

木の家のメリット③リラックス効果

多くの木に含まれるフィトンチッドですが、防臭効果に加えて、リラックス効果も合わせ持っています。

実は、森林浴をして「気持ちがいい」と感じるのは、このフィトンチッドの効果によるものです。フィトンチッドには、人間の自律神経を整える働きがあり、それは、木が伐採されて木材となっても効果が持続します。

ですので、木の家に住むことで、室内にいながらも森林浴の効果を得られます。

 

木の家のメリット④高い調湿効果と断熱効果

木には、高い調湿効果と断熱効果があります。
室内の湿度が高くなれば水分を吸収し、逆に、室内が乾燥すると木に含まれている水分を放出することで、自然と湿度を調整しています。
人が快適と感じる湿度は、おおよそ40%から60%といわれておりますが、木の家では湿度を約50%に保つことができます。

そのため、生活を送るのに快適な空間を維持できると同時に、湿気が原因で起こる様々な住宅問題(結露、ダニ、カビなど)に対しても、大きな役割が期待できます。
また、木は高い断熱効果も持っています。
木の断熱効果はコンクリートの約12倍ともいわれており、天候や周囲の温度に影響を受けることが少なく、部屋の空間を快適に保つことができます。

断熱効果が高ければ、温度調節としてエアコンに頼ることも少なくなりますので、省エネルギー効果も同時に期待できますよ。

 

木の家のメリット⑤有害な化学物質が発生しない

家の建築素材に木を使うことで、人体に有害な化学物質を吸収すると同時に、化学物質の発生自体も抑えることができます。
家の壁の素材として広く使われている「ビニールクロス」は、万が一に家で火事が起こり壁が燃えてしまった際には、有毒ガスを発生する可能性があります。

けれども、木材などの、有害物資を用いない自然素材を建築に使用することで、有害物資やガスの発生といったリスクの軽減につながります。
また、有害物質による空気汚染が原因とされるアレルギー症状や、シックハウス症候群などの対策としても木材は非常に役に立ちます。

 

木の家を建てる時の注意点

木の家を建てる際の注意点①「シロアリへの対策」

木材を使用した住宅に特有のトラブルとして、シロアリによる家の侵食が挙げられます。
シロアリは、水分が豊富にある場所や湿気が溜まっている場所を好みます。木の持つ高い調湿効果に加えて、なるべく湿気が溜まらないように対策をしましょう。

また、木材の種類の中には、シロアリが好まない木も多くあります。特に檜や杉、ヒバは耐蟻性を持つ代表的な木材です。木の家を建築する際には、耐蟻性を持つこれらの木材を土台に使用することで、シロアリ対策の1つの方法になります。

 

木の家を建てる際の注意点②「木材はしっかりと乾燥させる」

木は、空気中の環境に合わせて水分を吸収、放出し室内環境を快適に整える調湿機能があります。この働きは、家の素材に木を使用する大きなメリットになりますが、同時に、家の耐久性にも注意をしなければなりません。
木は、水分の出し入れに伴って、膨張と収縮を繰り返します。調湿効果により一定の湿度を保つことができますが、長い年月とともに木の形が変形することで、家の安定性を損なってしまう可能性もあります。

そのため、室内の空気をしっかりと行い、木材が含んでいる水分量を適切な値に保つことが大切です。
また、家の素材には、十分に乾燥させた木材を用いることで、木の形の大きな変化を防ぐことができます。

 

木の家の特徴をしっかりと理解して、理想的な住まいを作ろう

今回は、自然素材である木で建てられた家のメリットを5つと、建築時の注意点について紹介しました。
木で建てられた家には、ダニを防いだり、部屋の適切な温度を保つ働きがあったりと、ご家族が快適に生活するためのメリットが多くあります。
また、鉄骨造やコンクリート造の住宅では感じることのできない、森林浴と同等のリラックス効果は、木の家ならではの大きな特徴です。

もちろん、木の家で快適に生活するためには、シロアリへの対策や、木材の乾燥を行うなどの注意点があります。しかし、これらの問題に対しては対策方法もありますので、建築時にしっかりと対応しておくことをオススメします。
これから新しく住まいを建てようか考えている方は、ぜひ、木で建てられた家も検討してみてはいかがでしょうか。