2020年8月24日
マンションやアパートから自然素材の家に移り住んだお客様とお話しをしていると、決まって話に出るのが「こんなに快適だとは思いませんでした!想像以上です!」という驚きの声です。
冷暖房を強く効かせている訳ではなく、自然素材そのものの涼しさや、空気の通り道が家にあることで、「”夏の暑さ”や”冬の寒さ”を家の中にいると感じない快適に暮らせる家を実現しています。
もちろん、素材や設計にも工夫はしているのですが、何よりもこだわっているのが、「断熱性能」です。
実は、家づくりを行うにあたっては、断熱性能の高い・低いによって、家の中の温度、つまり毎日の快適性に雲泥の差が出るといっても過言ではありません。
そのくらい、快適な家に住みたいと思うなら「断熱性能」は妥協してはいけないポイントです。
では、断熱性能にこだわるとどんな良いことがあるのか?
また、断熱性能で比較する時に、どんな点を注意して見れば良いのか?
解説していきたいと思います。
断熱性能が優れている家は、それだけで省エネルギーになります。
極論を言えば、太陽光などの余分な設備を設置・維持するコストよりも断熱性能を強化した方が光熱費が安く済むこともあります。
また、断熱性能が良いと、結露の発生が防げます。
「結露」は家の性能を低下させる大きな要因です。
冬、外気との寒暖差が大きくなるとメンテナンスが困難な壁の内部に水滴がたまります。
溜まった水滴は、カビを発生させたり、構造材を腐食させていきます。
また、家の天敵であるシロアリも湿気の多い場所を好みます。
構造材が湿気るとシロアリを呼び寄せることにも繋がりかねません。
エアコンを効かさなくても「夏は涼しく、冬は暖かい」。そんな快適な住まいを手に入れるためには、「断熱」は絶対にこだわって欲しいポイントです。
一言で「断熱性能」と言っても、各社考え方は様々です。
工法も使っている素材も各社様々で、一概に「これが正解」というものはありません。
では、断熱性能でどのくらい家の温度に差が出るのか相模原住宅公園に出展しているある会社の外壁温度を測定してみました。
こちらの比較画像ですが、
・撮影時間:13:00
・外気温35.8℃
・湿度47%
という猛暑の中で、当社のモデルハウスと相模原住宅公園内の一部モデルハウスをサーモグラフィーカメラで撮影した画像です。
青、緑、黄、赤、白の順番で温度が上昇するのですが、最低温度が30℃、最高温度が60℃と画像を見ても一目瞭然です。
相陽建設のモデルハウスの外壁温度は、約30℃。
H社、S社に関しては、バラつきはありますが、外壁温度が約50℃前後あります。
相陽建設の家の外壁温度が抑えられている理由は、外壁材に使っているセレクトリフレックスの効果です。
この素材、日射反射率をなんと72%もカットしてくれており、外壁の温度上昇を猛暑の中でも抑えることができています。
別の角度から比較をしてみても、使っている素材によって温度に差が出ていることは一目瞭然です。
なお、太陽に近い屋根が真っ白で一番温度が高くなっておりますが、相陽建設の場合、屋根の下地にも遮熱シートをはっています。
因みにこの日の小屋裏収納は、エアコンなしで、室温が30.2℃、湿度が52%となっていました。
断熱性能は大きくわけると
・断熱材
・素材の調湿性能
の2つの良し悪しで性能が決まります。
1つ目の断熱材は、文字通り断熱するときに使われる材質のこと。
木造住宅には、「グラスウール」と「セルロースファイバー」のどちらかが使われています。
2つ目の調湿性能ですが、実は快適な室温で生活できるかどうかは、「湿度」に左右されます。
調湿性能が高い素材を使うと、家全体で湿度の調整をしてくれるので快適な湿度で生活することができます。
断熱材は壁と壁の間に使われるものなので、日常の生活ではほぼ目にしませんが、だからこそ家を建てるときにしっかりと検討しておかなければいけないポイントです。
それぞれの特徴をまとめると次の表のようになります。
グラスウール |
セルロースファイバー |
|
使用頻度 |
高 |
低 |
料金 |
安 |
高 |
耐水性 |
弱 |
高 |
調湿性 |
無し |
高い |
素材 |
化学物質 |
自然素材 |
メリット |
価格が安い・施工が簡単 |
調湿性・防虫性・遮音性が高い |
デメリット |
結露などで濡れるとカビが発生する |
グラスウールに比べると料金が高くなる |
日本の木造住宅では、料金の安さと施工のやりやすさから「グラスウール」がよく使われています。しかし、ここで注意していただきたいのはグラスウールはセルロースファイバーと比べると調湿性能や耐水性に劣るという点です。
グラスウールは、海外の湿度がそれほど高くない地域や国で普通に使われている素材ですので、それ自体が悪いわけではありません。問題は、グラスウールの特徴と日本の気候があっていないことです。
結露で湿気がでると調湿効果がないため、湿気を逃してくれません。
壁内に湿気が溜まったままになってしまいます。
その結果、木の腐食やシロアリ被害にあいやすくなってしまいます。
・これを防ぐために、どのような工夫をしているのか?
・工法や他の素材で湿気がたまらない工夫があるのか?
・万が一、結露によって構造材が腐食した場合はどのような対処をすれば良いのか?
このあたりのポイントは、断熱材を選ぶ時には必ず確認してください。
一般的に「断熱材」というと先ほどのグラスウールやセルロースファイバーのことを指します。
これを専門用語で「内断熱材(うちだんねつざい)」と言います。
構造材の中の部分を断熱するものなので、内断熱です。
断熱性能にこだわっている住宅会社には、建物の外にも断熱材を使用している会社もあります。
「建物の外」とは、日光を浴びる外壁の壁の部分です。
ここに使う断熱材を「外断熱材(そとだんねつざい)」と言います。
外断熱材に使われるのは、ボードや塗料です。
外断熱をおこなうメリットとしては、
・外断熱材で外気をカットできるので、構造材や室内の温度差がなくなる。
・温度差がなくなることで、結露を防止できる
・雨の日でも水や湿気を室内に通さない
などがあります。
また、外壁に使われる材料によっても断熱効果は変わります。
地中海などの国にある赤道付近の日差しが強い国で、白い外壁の家が並んでいますが、あれも外断熱の一種です。
太陽光を反射しやすい素材を使うことで、吸熱を抑えています。
その一方、極論を言えば、ここまで断熱にこだわらない人にとっては少し「やりすぎ」に思われることもあります。
外断熱を施工した方が、間違いなく断熱性能は向上します。しかし、その分、コストもかかるので、断熱にどこまでこだわるかによって検討してください。
■ここまでのまとめ |
湿度の調整は快適に暮らすうえでは欠かせません。
断熱性能も突き詰めれば「快適に暮らすためのもの」です。
なので、調湿性能を無視した断熱はあり得ません。
調湿性能は、素材によって大きく変わります。
特に、化学物質を使用しているか、自然素材を使用しているかでは、全くその効果は違います。
室内の調湿性能に大きな役割をもつのが「内壁の素材」です。(ちなみに、断熱材も重要です。ここは、先ほど述べたので割愛します。)
内壁になにを使っているかによって調湿効果は大きく変わります。
例えば、一般的な壁紙やクロスの調湿効果は、ほぼ0です。
中には、自然素材の土壁の成分で作られた「調湿性能をもった壁紙」などもありますが、そのような特殊なものを使わない限り、壁材からの調湿効果は期待できません。
壁材に調湿効果が無いということは、湿度が高くなったり低くなったり、外気によって大きく左右されることになります。
また、汚れたり破れたりすれば張り替える必要があるのでメンテナンス費が数年ごとにかかります。
調湿性能は、木や漆喰などの自然素材が本来持っている力です。
生きていくために湿度を取り込み、不要になった分は排出する。
これを自然と最適になるようにおこなってくれるのが自然素材の優れたところです。
自然素材の無垢の木で施工した場合も調湿効果が得られますし、優れた内壁材は他にもあります。
検討時には確認するようにしてください。
■ここまでのまとめ |
ここまでの話をまとめると、断熱を考える上で重要なのは、
・内断熱材
・外断熱材
・外壁
・内壁
の4つです。
ここに、それぞれどのような素材を使っているか、どのような工法で施工しているかによって各社の断熱へのこだわりや考え方が出てきます。
・外断熱は行なっていない。
・外壁はデザインを重視している
といった会社も中にはあります。
その場合は、その分のコストをカットできたり、設計の自由度が高まったりと、断熱を補うメリットがあると思うので確認するようにしましてください。
最後にもう一度、言いますが、家の性能で最も重要なことは「断熱」です。
断熱性能が低い家に住んだことによって、
・夏は暑い・冬は寒い。
・光熱費が余計にかかる。
・結露やカビがひどくて健康への不安がある。
といった話は本当に良く聞きます。
もし予算などの都合でどこかの性能を削らなければならない時でも、最低限の断熱性能は必ず備えるようにしてください。
断熱性能で家を建てたあとの暮らしは大きく変わります。
最後に、私たち相陽建設は、何よりも断熱にこだわって家を建てています。
・内断熱材
・外断熱材
・外壁
・内壁
の全てに100%の自然素材のものを使い、「クアトロ断熱」と呼ばれる方法で施工をおこなっています。
ここまでやる必要があるのか?と聞かれることもありますが、「快適な住まいのためには、断熱が最重要」と考えているからです。
この記事を読まれた方で、もっと詳しく知りたい方やお話を聞きたい方は、お気軽にご連絡くださいね。
相模原住宅展示場でも実際に体験してもらえますので、まずは色々と情報収集にきてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。