2024年5月1日
「夢のマイホームが持てる!だったらオール電化で快適な住宅にしたい」
そう思う人は少なくないでしょう。 ただ、オール電化となると、冷暖房設備は限られてきます。
もともとオール電化は、光熱費を一つにまとめられること、契約プランによっては、電気代の節約になることがメリットです。ガスや灯油を併用したのでは、メリットが半減してしまいます。
電気を使って快適に暮らせる暖房器具というと、多くの方はエアコンをイメージするのではないでしょうか。床暖房は初期費用がかかります。暖房設備を何か一つに絞り込んだ場合、結局はエアコンが一番経済的だと一般的にはいわれています。 けれど、エアコンは空気が乾燥しますし、風が苦手という人もいます。最初に部屋の空気を暖めるために、電気を多く使ってしまうという欠点も抱えています。
そこで、もうひとつオール電化住宅におすすめの暖房器具をご紹介しましょう。
それは、「蓄熱暖房」です。
あまり名前を聞かない暖房設備ですが、オール電化住宅と非常に相性がいい設備です。
蓄熱暖房器は、安い深夜電力を使って発生させた熱を、内蔵されたレンガなどに蓄熱して、その熱を利用し、日中に部屋を暖める暖房器具です。 ファン付きのものもありますが、自然の対流でじっくり部屋を暖めるタイプのものもあり、遠赤外線の、ポカポカとした心地よい暖が得られます。
また、石油ファンヒーターなどのように室内の空気を汚さないので、それほど換気を気にする必要がありません。体にやさしい蓄熱暖房器ですが、国内で製造しているメーカーは少なく、あまり普及していないのが現状です。
蓄熱暖房器は、暖房にしか使えず、しかも重量が重くて移動するのは難しいため、夏はただ邪魔な設備になってしまいます。 さらに、特に寒冷地では、朝方にファンを動かして室温を上げるため、蓄熱した熱が夕方まで持たないということも、普及を妨げる原因になっているようです。
しかし、ファンの動作を調整することにより、「夕方まで持たない」という条件は改善されつつあるようです。 最近の蓄熱暖房は、蓄熱量やファンの動作にコンピュータ制御を用いており、かなり改善されたタイプが出回っています。
蓄熱暖房は、ネットで調べると、電気代がかさむという声が多いでしょう。
しかし、詳しく見ていくと、蓄熱量をかなり多くしてフル回転に近い状態で使っているケースが少なくありません。蓄熱量、ファンの強さや動作時間を細かく設定できる機種を選べば、ずいぶんと電気代は違ってきます。
A社のカタログ値であれば、おおよそ14帖~26帖タイプの蓄熱暖房なら、電気代は7,000円程度。
一方、リビング用エアコンであれば、1日8時間程度であれば安いですが、15時間以上になると1万円近くになり(20.5円×15時間×30日)、長い時間使うほど蓄熱暖房の方がお得になります。
蓄熱暖房器の初期費用は20万円から40万円前後ですが、耐用年数は10年から20年と長く、時々ファン周りの掃除をする程度の簡単メンテナンスで、設備にかかる維持費はほとんど必要ありません。 一日中快適なことを考えると、お年寄りや小さなお子さまのいる家庭でのメリットは大きなものになります。
もし、蓄熱暖房を導入するのなら、エアコンと併用することも検討してみてください。蓄熱暖房は部屋を常に温めておくことのできる暖房なので、部屋を暖めるまでに電気代が多くかかってしまうエアコンの弱点をうまくカバーすることができるのです。