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2024年9月30日

土地を購入する際の「道路幅」で気をつけるべき2つのこと

初めて一戸建て住宅の購入を検討される方が、特に「よくわからない」と感じるのが「土地選び」です。
家そのものの設計(=建物部分)には、皆さん同じように熱心になりますが、土地に関しては「難しそう」と感じ、二の足を踏んでしまう方が多いのが現実です。

ここでは、これまで何百もの土地を見てきたプロの視点から、一緒に重要なポイントを再確認していきましょう。

恐怖の4m規制

1950年(昭和25年)11月23日に、建築基準法が施行されました。
この建築基準法の第42条では、「建物を建築する土地は、幅員(道路の幅)が4m以上の道路に、少なくとも2m以上接している必要がある」と規定されています。これを「接道義務」といいます。

※つまり土地が道路に接している幅(はば)が最低2mはないと、建築不可となります。接道義務を満たしていない土地は、「再建築不可物件」と呼ばれます

この義務は、防災や安全性の確保が目的で、道路に接していない土地だと、緊急車両(消防車や救急車など)が現場にアクセスできない可能性があり、災害時に住民の避難や救援が困難になることを懸念して作られました。
また、居住地の通風や採光を確保するための規制でもあります。

ですが、日本には幅員が4m未満の道路がたくさんあります。特に建築基準法が定められた1950年以前の道路には注意が必要です。
こうした道路に面している土地に、あらたに建物を建築する場合、敷地の一部を後退させ、道路の足りない幅を補う必要があります。これをセットバック(道路後退)と言います。

わかりやすく言うと、「あなたの購入した土地に面した道路の幅が、4m以上ない場合は、足りない分の幅を土地内に用意する必要がある」ということです。

こうなると当然、設計対象である家も狭くなってしまいます。

セットバックで確保された土地の所有権は、土地の所有者にありますが、課税対象外となります。つまり、課税される範囲はセットバック後の土地、となります。

※具体的な税額の変更は、自治体ごとの評価基準や土地の評価額によって異なります。土地の評価額が変わる場合もあるので、必要であれば自治体に確認することをおすすめします。

ウチが建てる家の前の道路は道幅4m以上あるから、大丈夫。……それ、本当?

 

建築基準法では、指定道路が屈曲する部分に対して、「一辺が2mの二等辺三角形」の隅切りを実行する義務が生じます。
つまり、あなたの土地が角地であれば、また、もしぎりぎりの道幅であれば、「2m×2mの三角形」の土地をカットしなければならないかもしれません。自動車が角を曲がりきれない可能性があるからです。

容積率とは

容積率とは、建物の総延べ床面積(全ての階の床面積の合計)が敷地面積に対してどれだけの割合を占めるかを示す指標です。建物をどれくらいの大きさまで建てられるかを決めるために、この容積率が使われます。都市の過密化を防ぎ、一定の快適な住環境を保つことを目的に定められました。
下記のような計算式で求められます。

また、容積率には道路幅員による制限があります。
建築基準法第52条に定められており、道路幅員が12メートル未満の場合、容積率は次のように制限されます。

例えば、道路幅が4メートルの場合、容積率の上限は4 × 4/10 = 160%となります。容積率が一般的に指定されていても、道路幅が狭い場合、その制限に引っ張られることがあるのです。

購入した土地に面する道路の大きさで、セットバックや隅切りの可能性があり、敷地面積が変わります。道路の幅員は、建物の容積率にもかかわっている、と言えるでしょう。
より大きく、理想的な家を建てたいなら、道路の幅員を見ることはとても大切なことだとわかります。

土地が第1種低層住居専用地域であっても、将来的に周囲の地域や用途が変わる可能性もあります。注意深く観察して、よりよい土地を購入しましょう。

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永く安心して健康で快適にくらせる家であること。住めば住むほどよくなる家であること。住む人に幸せが訪れる家であること。そして、造る者にも嘘がない真摯な心で造ること。こうして造られた家を私たちは「0宣言の家」と呼んでいます。