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2020年4月20日

新築・注文住宅を建てる方へ|良い家・失敗しない家の選び方

これから新築の注文住宅を検討されている方へお伝えしたいことがあります。
あなたにとって、「良い家」とは、いったい何でしょうか?
これには、色々な答えがあると思います。

デザインにこだわっている方だと、デザイン性の高い家が良い!と答えられるでしょうし、予算や土地がすでに決まっている方は、その予算内に抑えられる家が良いと思います。

そのほかにも、ここだけは譲れない!という想いを持って、相談に来られる方もたくさんおられます。

しかし、その一方で、家を建てた後に「こんなはずじゃなかった」と話される方がおられるのも事実です。
私たちは家を建てるプロとして、毎日様々な家づくりに関わっています。
その中で、「これだけは絶対に譲れないポイント」があるので、紹介していきます。

家を建てる時に必ずチェックすべきポイント!

いい家は、「長持ち」する。住む人が「健康」に暮らせる

良い家とはどんな家か?と聞かれ、「人それぞれの感性なのでそれぞれです。」と言ってしまえば元も子もないので、相陽建設が家づくりのプロとして考える、いい家の定義をお伝えします。

私たちは、次の2点を満たした家を良い家と定義しています。

1点目は、「丈夫で長持ちする家」

2点目は、「健康に暮らせる家」

この2つを満たした家が「良い家」です。

当たり前のようで、当たり前でない「丈夫で長持ちする家」

これから家づくりを考えている方の中には、「家が長持ちするのって当たり前でしょ?」と、お考えの方もおられるかもしれませんね。
特に新築の注文住宅をこれから考えている方のほとんどは、一生を過ごす場所になるはずです。

ところが、これは、あまり知られていませんせんが、日本で作られてきた家は、築後25~30年もすると「建て直さなければならない」というケースが多いのです。
35年のローンを組んでいるのに、築後25~30年で建て直さないといけないという現実。これは、悲劇以外の何物でもありません。

では、なぜ、そのようなことになっているのでしょうか。

木造住宅の耐久性は「断熱性能」で決まる。

長持ちする家かどうかは「耐久性」という言葉で表されます。
これは、例えば「地震に強い」といった表現で表されることもありますし、鉄筋コンクリート造の家などでしたら、木造に比べると耐久性は高くなります。

これらを総称して耐久性というのですが、実は、木造住宅の耐久性を決める重要な要素が「断熱性能」です。
耐震性や基礎・工法による構造の違いは、「長持ちするかどうか」という点においてはそれほど大差がありません。(これは、今の標準の規格が高いレベルに設定されていることにあります。)

日本のような高温多湿の気候では、結露が発生しやすく、きちんと断熱をしていないと基礎となる木材が腐ってしまいます。

断熱の性能は断熱材によって決まります。

覚えておいていただきたいのは、次の3つの断熱材です。

1:グラスウール
2:セルロースファイバー
3:ウレタン

それぞれの違いと特徴は次のようになります。

グラスウール

セルロースファイバー

ウレタン

使用頻度

料金

耐水性

調湿性

無し

高い

無し

素材

化学物質

自然素材

化学物質

メリット

価格が安い・施工が簡単

調湿性・防虫性・遮音性が高い

コンクリートと相性が良い

デメリット

結露などで濡れるとカビが発生する

グラスウールに比べると料金が高くなる

水を吸わないので、結露に弱い。

日本の木造住宅では、料金の安さと施工のやりやすさから「グラスウール」がよく使われています。しかし、ここに、長持ちしない欠点があります。

グラスウール自体は、海外の湿度がそれほど高くない地域や国で普通に使われている素材ですので、それ自体が悪いわけではありません。問題は、グラスウールの特徴と日本の気候があっていないことです。

グラスウールは水を吸わないので、調湿性はほぼなく、壁の中に結露が発生するとそのまま水分を残してしまいます。
それが、カビになったり、木の腐食につながります。

 

新築で家を建ててから5年や10年だと何もないかもしれませんが、15年、20年と時間が経つにつれてその範囲は徐々に広がっていきます。
そして、気がついた時には、建て替えや大規模なリフォームが必要なほどにカビと腐食が進んでいた。というケースもざらにあるのです。

断熱にはしっかりとお金をかけることが「長持ちする家」につながる

断熱材は、柱と柱の間にいれるものですので、家を建てたあとには目に見えませんが、家の基礎を良いコンディションに保ち続けるためには、最も大切な要素です。

だからこそ、断熱性能を落として料金を安くすることは、家づくりのプロとして絶対にオススメしません。

最もこだわっていただきたい要素ですし、しっかりとお金をかけるべき場所というのが、プロの建設屋としての意見です。

断熱・調湿のどちらにも優れているのはセルロースファイバー

グラスウールに比べると価格が高いためか、あまり一般的には普及していませんが、「良い家を建てたい」「長持ちする家を建てたい」という方は、是非、こだわっていただきたいと思います。

細かな断熱の話をすると、どこまでも話し続けることができてしまうので、別の記事にまとめています。

断熱について、さらに深く知りたい方はこちらの記事をごらんください。

家族の「健康」を守ることも住宅の役割

いい家の定義にあげた2点目は、「健康に暮らせる家」でした。
「健康に暮らせる家」と聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。

 

例えば、「シックハウス症候群」という言葉はご存知でしょうか。
1990年代の後半、バブル期の建設ラッシュで建てられた住宅の「耐震偽装問題」や「欠陥住宅」についてマスコミを賑わせましたが、その時に出てきた言葉が「シックハウス症候群」です。

これは、いわば「住宅会社の無知によって引き起こされた公害」と話す専門家の方もおられます。健康に悪影響を与える化学物質にまみれた家に住み続けたこで、知らず知らずのうちに「住んでいるだけ」で健康が害され、アトピーや喘息などのアレルギー症状が出てしまいます。
「安さ」や「効率化」を求めたことによって、「工業品」になってしまい、思わぬ影響を与えることになりました。

特に、抵抗力の少ないお子様を育てる時には、本来当たり前であるはずの「健康に暮らせる家」ということを家づくりの条件として考えなければならない時代になっているということを頭に入れておいていただければと思います。

健康に暮らせる家として注目を集める自然素材の家

近年、見直されているのが「自然素材の家」です。
有害な物質が発生する建材の使用を抑え、一本の木から切り出した木材(=無垢材)をできる限り多く取り入れて家を建てていきます。
自然素材の壁紙や床材なども増えてきており、化学物質に頼らなくても比較的価格を抑えて自然素材の家が建てられる時代にもなってきました。

 

注目の素材「珪藻土」

自然素材の中でも特に注目を集めているのが「珪藻土(けいそうど)」です。壁材などに使われています。
珪藻土とは、植物性のプランクトンが長年にわたり、海底や湖底に堆積して化石化したもので、「火に強い土」として、七輪や耐火断熱レンガなどの原料にされてきました。

珪藻土には、シックハウス症候群の影響となるホルムアルデヒトなどの化学物質は一切含まれていません。また、「壁自身が呼吸する」ため、調湿効果もあります。室内の湿度を暮らしに快適なレベルに保ってくれるので、カビやダニなどの発生を防ぎ、保温・断熱による省エネ効果も得られます。

このようにメリットの多い珪藻土ですが、施工に手間がかかるため工期が長くなるとという欠点もあります。しかし、それでも快適で健康な生活を望まれるかたは、検討されることをオススメします。

 

健康な家を建てるために重要な「塗料」

住宅に使われる塗料も重要です。
実は室内でも使用されることが多いので、検討すべき大切な要因です。
特に、室内に使用する塗料は健康への配慮からホルムアルデヒトやその他の有害物質を含まないものを使用することをオススメします。
中には100%天然の原料からつくられる自然素材の塗料もあります。
(余談ですが、きちんと作られた自然素材の塗料は口にふくんでも健康に害はありません。)

このように、健康に注目すると、自然素材の家という結論になってしまうのですが、こだわればこだわるほど、高額になってしまうことも事実です。

「どこまで自然素材を使えば効果があるか」と聞かれると非常に答えることは難しいのですが、まずはきちんとして情報を集め、信頼できる業者を選び、相談しながら家づくりを進めることをオススメします。

まとめ

どのような家を「良い家」と呼ぶか?ということについて、弊社なりの持論と考えを述べてきました。

私たちの考える良い家とは、
1:長持ちすること
2:健康に暮らせること
の2点を高いレベルで実現している家を良い家と呼んでいます。

家づくりを考えると、間取りやデザインなど色々とこだわりたいも出てくると思いますが、たとえ予算が限られていてもこの2点は決して妥協すべきではないと考えています。

突き詰めると「自然素材の家」という結論になるのですが、一方で「自然素材の家」について、厳密な定義があるのか?と聞かれると、残念ながら何も規制や基準はありません。
極端に言えば、家の一部、例えば床材を無垢のフローリングにしただけでも自然素材の家と謳うことができてしまいます。

 

家の主要な部分に無垢材が使われていれば良いわけではなく、塗料・壁紙・断熱材など、目に見えないものもきちんと検討することが、これから家づくりを考えるためには必要でしょう。

まずは、情報を集め、良い家がどうかを判断できる知識をつけること。
そして、その中で「ここは譲れない」とこだわりと意見をきちんともつことが大切でしょう。
もし、このコラムを読まれた方で、さらに詳しく自然素材の家や家の選び方について知識を深めたい方は資料請求をしていただければ、様々な資料をお送りさせていただきます。

また、この他にも家づくりについてのコラムを書いているのであわせてお読みいただけると幸いです。
皆さまの一生に一度の家づくりが、満足のいくものになることを心から願っています。

ABOUTこの記事をかいた人

永く安心して健康で快適にくらせる家であること。住めば住むほどよくなる家であること。住む人に幸せが訪れる家であること。そして、造る者にも嘘がない真摯な心で造ること。こうして造られた家を私たちは「0宣言の家」と呼んでいます。