2024年3月5日
二世帯住宅を建築する際、考えなければならないことはたくさんありますが、その中の一つが水道管の口径の問題です。
水道管の口径
水道管の太さを表す単位です。
一般的に、ミリメートル (mm) で表記され、内径を指します。つまり、口径が大きければ大きいほど、水道管は太くなり、一度に流せる水の量が多くなります。
特に、親世帯がそれまで住んでいた土地に、古い家を壊して二世帯住宅を新築するなど、「その土地に一戸建てが建っていた」という場合は、口径の確認と見直しが必要です。
詳しくみてみましょう。
自治体によって違いはありますが、水道管の口径は、その太さによって取り付け可能な蛇口の数が決まっています。キッチンや洗面所、お風呂も別々といった、完全分離型の二世帯住宅の場合は、蛇口の必要数も2倍になりますので、今の口径の太さで蛇口の数がまかなえるかどうか、確認する必要があります。
例えば、13mm口径の引き込み管であれば、取り付けられる蛇口は5~6栓です。それより多い数の蛇口を取り付けると、同時に使用した場合の水の出が悪くなります。
口径を変更するための工事は簡単に済む場合がほとんどですが、場合によっては数十万円から100万円以上の費用がかかる場合があります。水道局と業者によく確認してみましょう。
また、自治体によっては、工事費用とは別に水道局に対して「加入金」の支払いが必要です。(水道事業の経営に利用されます。)お住いの自治体の水道局に確認しましょう。
増径する場合は、現在のメーター口径との差額分を支払います。多くの場合は、25mmまでが家庭用の扱いで同じ金額ですが、口径によって細かく分かれている自治体もあります。
例:宇都宮市の水道加入金
13mmから25mmへの増径の場合、270,000円-54、000円=216,000円の支払いとなります。
既存の水道管の太さは変えずに、新たに水道管を引き込む方法も考えられます。
二世帯住宅とはいえ、1件の家に2本の水道管を引き込むというのは奇妙に聞こえるかもしれません。ですが、たとえば親世帯と子世帯の生活空間が完全に分離している、「完全分離型二世帯住宅」なら、それぞれの世帯に1本ずつ水道管を引き込むことも十分にあり得ることです。
前面道路に埋設されている、水道本管からの引き込み管の長さで工事費が決まりますので、数十万円から場合によっては100万円を超えることもあるようです。
水道管を増やす場合、基本料金は2世帯分支払わなければなりません。しかし、「犬を洗うためのポーチを作る予定」「ガーデニング用に庭に蛇口をつけておきたい」など各世帯で好きなように蛇口の数を決められるというメリットがあります。
ほかにも、下記のようなメリットがあります。
水道管は道路に埋設されているので、工事の場所や内容によっては重機を動かすためにガードマンが必要となる場合もあり、初期費用がかさみます。暮らしやすさとのバランスを考慮して、どういった方法をとればよいか慎重に検討しましょう。
水道管のみだけでなく、水道メーターを分けるにはこちらをご参照ください。