2019年2月13日
今の住まいで長らく生活していると、家の建て替えやリフォームを検討されるケースも多くなりますが、そんな時、「家を建て替えるか、リフォームするか」で悩まれてはいませんか?
今回は、建て替えかリフォームのどちらかを検討されている方に向けて、建て替えとリフォームの違いと、建て替えにかかる主な費用について紹介します。
どちらを選択すればいいか悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
家の建て替えとは、既存の建物を基礎部分から一度取り壊し、その場所に新しく住宅を建てることをいいます。
「せっかく建てた家をわざわざ取り壊すなんてもったいない。」と思う方も、たくさんいらっしゃるかと思います。
しかし、家に住むご家族のライフスタイルというのは、時が経つにつれて大きく変化していくものです。家を建てた当時では小さかったお子様も立派に成長し、社会人として1人暮らしをはじめたので子供部屋が余ってしまった。一緒に住むご両親のお身体が悪くなり、手すりやスロープなどのバリアフリー化が必要になった。
このように、ライフスタイルの変化とともに、家の持つ役割は大きく変わっていきます。
家の建て替えを行うことで、また新たに一から家の間取りや構造を考えることができるので、家の住まわれているご家族のこれからのライフスタイルを考慮し、今よりも住みやすい家にすることができます。
また、長らく同じ家に住んでいると、家の様々な箇所の老朽化という問題も起こります。住宅の寿命は約30年といわれており、ライフスタイルの大きな変化のタイミングと合わせて、家の建て替えを検討されるご家族は増えております。
家のリフォームとは、家の基礎部分は残したままで一部分を改善、増築、修復することをいいます。
家全体を建て替える必要はないけれど、劣化しやすい水回りや外壁の修復をしたい場合にはリフォームが選択されます。
建て替えのように一から建物を作るわけではないので、間取りや部屋の構造などの部分は変更できませんが、その分建て替えをするよりかは手軽かつ低コストで行うことができます。
最近では、家の骨格部分だけを残してリフォームを行う全面リフォーム(スケルトンリフォーム)の人気も高まっています。
一から住宅を建てる「建て替え」と、家の一部分のみを改築する「リフォーム」では、リフォームの方がコスト面は安く抑えることができます。
リフォームでは、家を取り壊してから新しく建築する必要がありませんので、その分の建築費や解体費がかかりません。
しかし、リフォームは建て替えとは異なり、家の間取りや構造までは大きく変更できないために、家の自由度は建て替えよりは低くなってしまいます。
そのため、せっかくリフォームをしても、今現在抱えている課題の全てを解決できないケースもあります。また、リフォームの際に家の補強をしない場合は、家の老朽化の問題もあり、建て替え時よりも耐久性が劣ってしまうことも考えられます。
一方で、家の建て替えでは、コスト面ではリフォームよりも大きいものの、より理想の住まいに近い家に建て替えることができます。
どちらも大きなメリット、デメリットがありますので、まずは今の家がどんな課題を抱えているのかを把握することが大切です。
次は、家の建て替えにかかる主な費用と、その一般的な金額について紹介していきます。
実は、建て替えには解体費や建築費以外にも、様々な費用がかかります。
建て替えをしたいけれどコスト面が不安な方は、一度、建て替えにかかる費用を知ることで、より今の住まいに適した選択をすることができますよ。
建て替えでは、既存の建物を一度取り壊す作業が必要であり、その費用として解体費がかかります。
解体費は、多くの場合では「坪単価」で計算され、取り壊す家の建築方法によって目安となる金額が異なっております。1坪は、約3.3平方メートルです。
・木造:2万円~5万円
・鉄骨:3万円~6万円
・鉄筋コンクリート:5万円~7万円
上記は大体の相場の金額になりますので、住まいの場所や環境によって多少の誤差があります。
事前に業者へ確認をしておきましょう。
新しく家を作るための設計の費用も、建て替え費用のうちの1つに含まれます。
設計費用は、依頼する会社の種類にもよりますが、一般的な相場は建築費用の約5%~15%の金額となっております。
家の設計は、建て替えにおける重要なポイントの1つです。
家がどんな設計になるのかは依頼をする住宅会社や工務店によって大きく左右されますので、相手と念入りに相談を行い、しっかりとこちらの考える新しい住まいのイメージを伝えるようにしましょう。
家の建て替え費用の中でも1番の割合を占めるのが、家を新しく建てるための建築費です。
建築費用は、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート工法によっても変わってきます。建築費も解体費同様に、一坪単価での金額によって決まります。
・木造(従来の工法):30万円~80万円
・木造(ツーバイフォー工法):40万円~90万円
・鉄骨、鉄筋コンクリート工法:60万円~100万円
上記の金額が一般的な相場の金額になりますので、土地やエリアによって金額が前後します。
ちなみに、木造ツーバイフォー工法とは、事前に建築に使えるように工場で加工された材料を使用する方法で、施工業者によって住宅の性能が左右されにくいといわれております。
また、一般的な木造工法と比べて耐震性に優れている上に、間取りが広い傾向にあり、従来の木造工法よりかは費用が高くなる傾向にあります。
家を一度取り壊すということは、工事の期間は他の家に住まなければ生活ができません。そのため、家の建て替えにおいては、工事中の仮住まいを探す必要があります。
建て替えの工事の期間はおおよそ6ヶ月ですので、その6ヶ月分の仮住まいの家賃や、賃貸契約をする際の敷金礼金が仮住まいの費用としてかかります。
家賃は県や地域によって大きく異なりますので一概にはいえませんが、月に約8万円~15万円程度の金額を見積もっておくといいのではないでしょうか。
また、一部の方では、工事中の期間だけそれぞれのご両親の住む実家で生活し、余分な家具や荷物はレンタルボックスに預けてしまう、という方法で生活されるケースもあります。
仮住まいで生活する場合は、既存の家から仮住まいへの引っ越しと、仮住まいから建て替えた新居に引っ越す際の、計2回の引っ越し作業が必要になります。
引っ越し代は、時期や荷物の量によって金額が大きく変わりますが、計2回の引っ越し費用として約20万円程は見積もっておいた方がいいでしょう。
家を解体したときには、法務局の登記簿から建物がなくなったことを登記するための「建物滅失登記」が、家を新しく建てた際には「表示登記」などの手続きと申請が必要になります。
これらは基本的には専門家に依頼するので、その分の費用もかかります。
加えて、新築を取得したことで発生する不動産取得税や、登録免許税などの税金も発生しますので、家の建て替えにおける諸経費はしっかりと把握しておきましょう。
建て替えにするかリフォームにするかは、多くの方が悩まれる問題でもあります。
どちらを選ぶにしても、決して安い金額ではありません。正しい選択をするためにも、まずは、今住まわれている住宅の問題点を挙げてみることが大切です。
建て替えとリフォームのメリット、デメリットをそれぞれ理解し、今の住まいの状況と今後のご家族のライフスタイルを考えて、どちらを選べばいいのかをしっかりとご家族で相談することが、理想的な住まい作りにつながります。
また、コスト面もしっかりと考慮する必要はありますが、理想的な住まいを作るためには、お金のことだけを中心に考えるのは少しもったいないです。
家の状況は様々であり、建て替えとリフォームのどちらが良いかは、一概には決めることができません。
もしどうしても、ご自身やご家族だけでは決められない、という場合には、一度、住宅会社や工務店に行ってみてください。そこで、建て替えとリフォームの両方の見積もりをお願いしましょう。
その際には、“自分たちはこんな住まいで生活したい”というイメージをしっかりと相手に伝えることが大事です。
建て替えかリフォームを検討されている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。