2024年3月5日
二世帯住宅を建てるということは、これまで別々に暮らしていた親世帯と子世帯が一つ屋根の下での暮らしを始めるということでもあります。生活にかかるお金を、どちらがどのように負担するのか、事前によく相談する必要がありますね。
電気料金については、通常は親世帯と子世帯が使った合計額が、ひと世帯分として請求されます。それぞれの世帯で料金を折半する方法も考えられますが、完全分離型の二世帯住宅の場合は、二つの世帯の電気メーターを分けておくことも可能です。
同じメーターを使って合算する方法と、別々のメーターを使って別々に支払う方法、果たしてどちらのほうが電気料金はお得なのでしょうか。
住宅を建設する際、業者に依頼しておけば、電気料金のメーターを分けること自体は比較的簡単です。「メーターが2つということは、基本料金を二重に支払うことになるわけでしょ? それって無駄じゃない?」と思う人もいるでしょうが、一概にそうとも言えません。
電気メーターを世帯ごとに分けるメリットは次にようにいくつかあります。
電気メーターを2世帯一緒にしておくと、3段階料金制度により、電気の使用料金が割高になってしまうことがあります。
3段階料金制度とは、電気料金のうち電力量料金単価(電気使用量に応じて課金される料金)を、使用量によって3段階に分けた制度です。電気使用量が増えるほど1kWhあたりの電力量料金単価が高くなるため、電気を使うほど電気料金も高くなります。
3段階料金制度では、使用量によって以下の3段階に分けられます。
たとえば、親世帯が150kWh、子世帯が160kWh使用したとすると、それぞれで支払う場合は120kWhを超えた分について第2段階の料金が適用されます。
しかし、1世帯分としてまとめてしまうと、300kWhを超えた分には第3段階の料金が適用されますので、使用料金が割高になるのです。
(電力会社によって料金は異なりますが、3段階料金制度の考え方は同じです)
電気メーターを分けることによるデメリットは、下記のようなことがあげられます。
メーターが2つになるということは、基本料金がそれぞれにかかるので、基本料金自体は2倍になります。世帯による使用料kWhを確認し、分けた場合と、分けない場合とでかかる料金を把握することが大切です。
また、状況にもよりますが、電気料金のメーターを分けるためには「分電盤」「子メーター」などの設備が必要です。初期費用は、設備費と工事費を合わせて、10万円から20万円の上乗せが必要になると考えておきましょう。
逆に言えば、家全体の建築費用と比較してわずかな上乗せで、電気料金の節約が見込めるということです。
契約の際には、現在それぞれの世帯でどれぐらい電気を使用しているかをあらかじめ調べておき、契約アンペア数を決定するとよいでしょう。住み始めて頻繁にブレーカーが落ちるようなら、依頼すればすぐに変更してもらえます。
しかしアンペア数は年間契約であり、季節による変更はできないため注意しましょう。