2019年2月17日
新築で建てた住まいで長らく生活していると、ご家族のライフプランの変化や家の老朽化により「建て替え」、「増築(リフォーム)」を検討する必要が出てきますよね。
しかし、実際に工事をするとなると、「自分の住まいには、建て替えと増築のどちらが適しているのかよく分からない」というケースが多くあります。
そこで今回は、「建て替え」と「増築」の違いと、実際に工事をするときに注意すべきポイントを5つご紹介します。
マイホームの建て替えや増築を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「せっかく新築で家を建てたのに、わざわざ一度解体してまでして、新しく建て替える必要なんてあるのだろうか。」
そう疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?確かに、今ある家を一度解体して建て替えたり、一部を増築(リフォーム)するには費用も時間もかかります。
しかし、家というのは年月が経つにつれて徐々に老朽化していくものであり、また、そこに住むご家族それぞれのライフスタイルというのも変化していきます。
新築購入当初は小さかったお子様が社会人として独り立ちされたために、子供部屋が余ってしまったり、一緒に住まわれているご両親がご高齢になったことで、家の一部をバリアフリー化したいなど、ライフスタイルとともに住まいに必要な物も変わっていきます。
また、そのような問題に直面する頃には、水周りをはじめとした家の様々な場所で老朽化が起こっているケースもあります。
そこで、現在のライフスタイルに合わせた暮らしをするために家の建て替えや増築をすることで、理想の住まいを実現することができるのです。
ライフスタイルの変化とともに、住まいにも変化が必要なことはわかりました。では、家を建て替えることと増築することでは、何が違うのでしょうか?
後述にてそれぞれの違いの主なポイントを紹介しますが、簡単にいうと、建て替えは“一度家を解体して、新しく建て直す”ことで、増築は“同じ敷地内で建物の床面積を増やす”ことを指します。
また、増築には、家の構造(骨組)は変えずに新たな間取りや内装、設備機器などを取り入れる全面リフォーム(スケルトンリフォーム)と呼ばれるものもあります。
建て替えと増築にはそれぞれに違った良さがありますので、次にご紹介するポイントを参考に、ご家族のライフスタイルに合った方を選んでみてください。
建て替えと増築における1番の違いは、施工にかかる費用です。みなさんのご想像通り、増築よりも建て替えの方が費用が大きくかかります。
・建て替えにかかる費用:約2000万円~4000万円
・増築にかかる費用:約300万円~2000万円
もちろん、それぞれの施工の内容や条件によっても費用は変わりますが、大体の相場としては上記の金額がかかります。
また、先程ご紹介した全面リフォームは、増築の中でも高額な施工になりますので、大体1000万円以上が費用の相場になっております。
建て替えと増築では、工事にかかる期間も大きく違います。
建て替えでは、設計プランの打ち合わせから始まり、解体工事や地盤調査を経て着工するので、これら全てを通すと、約6ヶ月の期間が必要になります。
一方、増築では解体工事などの行程は基本的にはありませんので、増築の内容にもよりますが、約1ヶ月を目処に工事が進みます。
建て替えでは、そもそも住んでいた家を一度解体しなければならないので、その間に生活するための仮住まいが必要になります。
建て替え工事の期間が約6ヶ月ほどかかるとお伝えしましたが、その間の住まいをどうするかを考えなければなりません。多くのケースでは、夫婦の実家に住まわせてもらったり、元の家の近くの賃貸物件を契約し、家具はレンタルスペースに保管しておくなどの方法で工事期間を過ごされています。
実は建て替えでは、このような“工事以外の費用”がかかるために、増築よりも費用が増してしまうのです。仮住まいを契約するにもお金が必要ですし、引っ越すための費用もかかります。
増築であれば、多くの場合は居住したままでも工事が可能ですので、賃貸契約や引っ越しなどは必要ありません。
建て替えでは、家の間取りを再度決めることができるという特徴があります。
長年住んだ経験から、新築建築当初では気が付かなかった不便な部分を無くしたり、ライフスタイルの変化によって必要になる間取りを新しく計画したりと、今後の生活に合わせた住まい作りをすることができます。
中でも、年齢を重ねるに連れて、身体に大きな負荷がかかってしまう洗濯や掃除などの生活動線を短くして移動する労力を少なくしたり、バリアフリーに配慮した間取りにしたりなど、建て替えでのメリットはたくさんあります。
一方で、増築では床面積は増えるものの、間取り自体は大きく変更できませんので、その分の自由度は建て替えに比べると劣ってしまいます。
ところで、住まいの建て替えや増築の時期は、住み始めからどのくらいの期間が目処となっているのでしょうか。
一般的には、木造一戸建てであれば築30年以上が建て替えの目安といわれております。
増築は、その都度必要な時に施工ができますが、中でも多い水回りの工事や外壁のリフォームは築10~20年が1つの目安となります。
建て替えと増築のいずれにおいても、「ご家族のライフスタイル」、「建物の老朽化」、「耐震性能の改善」などのタイミングを1つの目安として検討してみてはいかがでしょうか。
・間取りを自由に決めることができる
・ライフスタイルに合わせた家を建てられる
・地盤調査、改善も行うことができ、安全性も考慮できる
・増築よりもコストがかかる
・工事期間が長い
・仮住まいの契約や引っ越しなどの手間がかかる
・建て替えよりもコストが低い
・工事期間が短い
・引っ越しなどが不要
・必要な部分のみ改善することができる
・間取り自体は変えられない
・老朽化や劣化状態によっては、追加で料金がかかる場合もある
・建て替えよりも自由度は少ない
今回は、建て替えと増築(リフォーム)のそれぞれの違いのポイントを紹介しました。
どちらにもメリット・デメリットは存在しますが、今のご家庭に合った方を選択するための3つのポイントをおさえることで、建て替えと増築のどちらか正しい選択をすることができます。
・今後のライフプランを考える
・工事に使える予算を決める
・家の老朽化、劣化状態を把握する
建て替えや増築を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。