こちらの紅葉亭は、大変に見事な日本庭園と数寄屋建築を備えた相模原市内の霊園です。今回は霊園を管理するお施主様より、法要・会食・休憩のための施設の、新築工事を依頼されました。
これまでは、霊園内には法要のできる建物が無く、法事などは仮設のプレハブで行うような状況でした。そのため、この管理棟はお施主様にとって、霊園オープン以来の、まさに悲願であったそうです。
その思いもあってか、インテリアコーディネートは、ほぼすべてがお施主様自らの手によるもので、その意識は細部にまで行き渡っています。
現場監督としては、仕様の打合せと工事の進捗が併走するため、工程管理に追われましたが、それよりもお施主様の目指す意匠を、実現することの方に神経を集中していました。
全体としては「和」をキーワードにした意匠で、木材を随所に用いていますが、同時に鉄や石、ガラスといった多様な素材を用いており、古民家や神社仏閣とは異なる、現代風の和のイメージに仕上がっています。そんな建物の中から、ガラスのカーテンウォール越しに見る枯山水の庭園は、一枚の絵画のような景色で、一見の価値有りです。庭園の見学はお参り以外の一般のお客様でも大丈夫、とのことですので、是非一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。